菅直人元首相

【2024年秋・衆院選】東京18区ルポ 衆院選の注目選挙区の一つが東京18区（武蔵野市など）だ。菅直人元首相（78）の政界引退で空いた議席を、立憲民主党から出馬した前武蔵野市長の松下玲子氏（54）、自民党の元農水省職員、福田かおる氏（39）ら新人4人が争う。菅氏から「後継者」に指名された松下氏を福田氏が激しく追い上げるなか、両党の大物議員による応援合戦も続いている。 【表でみる】夕刊フジが作成した「落選危機にある大物・著名候補21人のリスト」 ■立民・松下氏「『クリーンな政治』というバトン受け継ぐ」 「菅直人さんから『クリーンな政治』というバトンを受け取りました。いまの自民党の『政治とカネ』の問題をしっかりと正していきたい」と松下氏は訴える。 武蔵野市はリベラル色が強いうえ、前市長の松下氏は名前も浸透している。だが、野党の候補者一本化の調整がつかず、共産党から樋口亮氏（37）が出馬、当初の楽観ムードは吹き飛んだ。 野田氏〝大丈夫〟も急遽参戦 20日はJR吉祥寺駅北口で立民の野田佳彦代表（67）が「絶対大丈夫だろうと思っていたが、相手も手ごわい。いても立ってもおられず、きょうは来ました」と支持を訴えた。 松下氏は市長時代の2021年、外国人にも住民投票権を認める条例案を提出したが、「事実上の外国人参政権につながる」などの批判が強く、市議会で否決された。 公示前に行われた公開討論会で松下氏は、「外国人参政権」について「市長のときに議論をしたことも提案をしたこともない」「いまは時期尚早で、どちらかといえば反対」と述べた。 ■自民・福田氏「誰の後継者でもなく派閥にも入ってない」 一方の福田氏は21日、JR吉祥寺駅北口で「私は誰の後継者でもない。どんな派閥にも入っていない。何のしがらみもない」「やっと相手の背中が見えてきた」と話した。 「政治とカネ」は〝無縁〟小泉氏 官僚出身の保守系新人でクリーンさをアピールできる福田氏は自民にとって大事な候補者だ。石破茂首相や上川陽子前外相らが応援に駆けつけ、21日には小泉進次郎選対委員長（43）が、「政治とカネ」問題について「福田さんは全く関係ありません！」と聴衆に呼びかけた。 同選挙区では参政党の新人、徳永由紀子氏（47）は「政治とカネの問題も重要だが、いまは外資による日本の買収への規制強化などの方が急務だ」と訴えている。　（報道部・丸山汎）