陸自、沖縄・石垣駐屯地の一般開放イベントで空包訓練を公開へ ミサイル発射車両も展示 市民団体が中止要請
陸上自衛隊石垣駐屯地(沖縄県石垣市平得大俣)で30日に行われる一般開放イベントで、空包を発砲する訓練を公開予定であることが12日までに分かった。「石垣島の平和と自然を守る市民連絡会」と市民有志は同日、同駐屯地に対し、空包使用と一般開放の中止を申し入れた。 【写真】石垣島まつりで、「一撃必墜」と書かれた旗を掲げパレードする自衛隊 同駐屯地によると、一般開放は「住民に対して、駐屯地の活動の理解促進、部隊に対する安心感・親近感・信頼感を獲得」するのが目的。訓練公開のほか、12式地対艦誘導弾や03式中距離地対空誘導弾の発射車両などを展示する。子ども向けのエアー遊具やスケートボード会場も設置する。 昨年初めてあった一般開放でも空包を使った戦闘訓練を公開。周辺住民からは、平穏な生活環境を確保できないとの理由で平時の空包使用に反対する意見が出ていた。同駐屯地は今回「地元代表者に説明し、理解を得た」として空包の使用を決めた。 同駐屯地に近い川原地区に住むパイン農家の具志堅正さん(63)は「人を殺傷する武器を展示するというのはおかしな感覚だ」と抗議。市民連絡会の藤井幸子事務局長は「戦争の悲惨さが感じられないショーのような訓練公開にどんな意味があるのか」と問題視した。申し入れ書を受け取った隊員は「司令に伝えます」とだけ述べた。(八重山支局・矢野悠希)