運休続くJR米坂線巡り吉村知事「JR東による復旧・運営求める」 JR側“直営難しい”との見解に対し【山形発】
4案が今後の議論の土台に
一方、JRは5月の会議で復旧後の運営を誰が担うのか、4つの案を示した。 1)これまで同様JRが運営する 2)上下分離方式 3)第三セクターなどへの移管 4)バス転換 この4つの案が今後の議論の土台となる。「これまで同様JRが運営する」場合は、土地や線路・駅などの施設や車両はすべてJRが所有・管理し運行もJRが行う。 これに対し、「上下分離方式」とは、土地や線路・駅などの施設は沿線の自治体が管理し、それをJRが借り受け、JRは運営に専念するやり方。これは2011年の豪雨で被災した福島・JR只見線が復旧の際に採用した方式だ。上下分離方式によって、沿線の自治体にとっては、駅の管理費など毎年3億円の新たな負担が必要となったが、地域にとって欠かせない鉄道が再開できた。 2017年、福島県・内堀雅雄知事は「只見線は地域の将来像を描き、地方創生を成し遂げるうえで大変重要な存在」と語っていた。 「第三セクターなどへの移管」は運営を第三セクターなど地域で運営する方式で、県内では「フラワー長井線」と同じ運営方式になる。そして「バス転換」は、鉄道での復旧を辞めて鉄道のルートをバスでカバーする方式で、2010年に脱線事故が発生した岩手・JR岩泉線は、その後、廃線となり路線バスに転換した。 全国でも鉄道の在り方が次々と見直される中、「地域の利便性」だけではなく、「県や沿線自治体の費用負担」も考えた上で、議論を前に進める必要がある。 吉村知事は「沿線自治体と議論を深めていくということに今は尽きる。4案のうち『これだ』ということは申し上げられない。現時点では。ただ、私も新潟県知事も、基本的にはJRによる復旧・運営が望ましいということには変わりはない」と述べた。 また、吉村知事は5日、斉藤鉄夫国交相に対し、米坂線の早期復旧と政府による復旧費の補助率かさ上げなど、国の財政支援の拡充を要望したという。 (さくらんぼテレビ)
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