【Ｖ長崎―大分】後半追加タイム、Ｖ長崎の笠柳（中央）がシュートを決めて４点目＝長崎市、ピーススタジアム

　明治安田Ｊ２第３４節最終日（６日・ピーススタジアムほか＝７試合）Ｖ・ファーレン長崎は大分を４－１で下し、新しいホームスタジアムでの初陣を快勝で飾った。通算１７勝１２分け５敗の勝ち点６３として、順位は変わらず３位。鹿児島を１－０で下して首位に浮上した横浜ＦＣとの勝ち点差は１１、水戸と２－２で引き分けて２位に後退した清水との勝ち点差は１０となった。 　Ｖ長崎は前半２４分、大分ＧＫの横パスをカットしたマテウスが無人のゴールへ流し込んで先制。記念すべき新スタジアム初ゴールは、Ｖ長崎のＪ２ホーム通算３００得点となった。３３分にはヴァウドがマルコスの左ＣＫを頭で合わせ、２－０で前半を折り返した。 　後半４分、敵陣で秋野が相手のクリアをワンタッチで前線のマテウスにつなぎ、横パスを受けたマルコスが追加点。４４分に失点したが、後半追加タイムに秋野とのパス交換からペナルティーエリア内に入った笠柳が４点目を蹴り込んだ。 　仙台は秋田に０－１で競り負けた。山形は山口を２－０で下し、５連勝で７位に浮上した。 　第３５節は１９、２０日、各地で１０試合を実施。Ｖ長崎は２０日午後１時から秋田市のソユースタジアムで９位秋田と対戦する。 ◎Ｊ１自動昇格へ望み 　圧巻のゴールラッシュで、新スタジアムでの船出を華々しく飾った。Ｖ・ファーレン長崎は、ホーム戦歴代２番目に多い１万９０１１人の観客の前で次々とゴールネットを揺らして４得点。Ｊ１自動昇格へ望みをつなぐ勝ち点３をつかみ、ゴール裏で勝利の「カンターレ」を高らかに歌った。 　５バックで守りを固める大分を攻めあぐねたが、思わぬ形でチャンスは巡ってきた。マテウスがＧＫのパスミスを見逃さずに先制弾。ここからＶ長崎のゴールショーが始まった。９分後に加入２年目のヴァウドが左ＣＫを頭で合わせて追加点。試合に出られないときも練習で手を抜かず、仲間にアドバイスするなど「ヴァウ兄（にい）」と慕われるブラジル人ＤＦの加入後初得点がチームを加速させた。 　後半も勢いは止まらない。マルコスがホーム２戦連発となる３点目を決めると、締めくくったのは後半１４分から出場した笠柳。後半追加タイム、秋野とのパス交換でペナルティーエリアに進入すると、大分の守備網を切り裂いてゴール左隅に突き刺した。「得点したら絶対に行こうと決めていた」と言う背番号３３は、サポーターで埋め尽くされた“日本一ピッチに近い観客席”に飛び込んだ。 　あくまでもＪ１自動昇格が目標だが、次節のアウェー秋田戦で勝っても首位横浜ＦＣ、２位清水がともに勝利すれば、その道は閉ざされる。その場合は３～６位によるプレーオフで昇格を目指すことになる。笠柳は「３位なら（２試合とも）ホームで戦える。最高のサポーターが後押ししてくれて、最高の雰囲気がここにはある」。昇格へ、ピーススタジアムという舞台が、この上ない形で幕を開けた。