元鳥取県知事 斎藤知事の公職選挙法違反と政治資金規正法違反のすり替え指摘「うまく使い分けている」
元鳥取県知事の片山善博氏(73)が26日、コメンテーターを務めるTBS「ひるおび!」(月~金曜前10・25)に出演。兵庫県知事選を巡り公職選挙法違反の「運動買収」疑惑が指摘されている斎藤元彦知事(47)について言及した。 知事選で斎藤氏を支援したPR会社社長が、文章や写真などを公開するサービス「note」上で、同氏の選挙戦でSNS戦略を提案。「広報全般を任された」などとつづった。公選法では、選挙活動で報酬を支払える対象は事務員や車上運動員、手話通訳者らに限定されている。斎藤氏は25日、全国知事会後に記者団に対し「私としては、公職選挙法に違反する可能性はないと認識しています」と疑いを否定。PR社長が行っていた選挙動画のライブ配信について、斎藤氏は「個人参加のボランティア」と認識を示した。PR会社へは「製作費として70万円ほど支払っています」と述べ、斎藤氏の弁護士はポスター等の作成など5名目を依頼したとしている。 片山氏は知事側はボランティア、PR会社は会社として仕事を請け負ったとするなど、両者の意見が食い違っていることについて「知事さんがおっしゃっていることと、(PR会社の)社長さんがおっしゃっていることが丸っきり違うんですね。だから非常に論点がクリアなんですね」と指摘。「県議会の百条調査委員会で論点にして証人で呼べば嘘をついちゃいけないですから、今のままだとどっちかが放っておけないことを言っているので明確になると思いますね」と提案した。 「もし私が斎藤さんの立場なら」と私案を披露。「任してないとすると腹が立つと思うんですよ。何てことを言ってくれるんだと。名誉毀損(きそん)じゃないか。ひょっとしたら地位を失うかもしれない。とんでもないことだと損害賠償請求や名誉毀損(きそん)で訴えると思いますね。そういうことをしてもいい事例ですよね」と話した。 しかし、斎藤知事にはそういった動きは見られず「そんな気配ないですよね。これが非常に示唆的だと思うんですけどね」と主張していた。 さらに政治資金規正法違反の可能性についても指摘。「有償だったら買収になります。報酬を払っていい対象になっていませんから。無償だったらどうなるかというと、会社で請け負ったことを前提にすればですね、会社からの寄付になるんですね。寄付になると県との関係で非常にややこしい話になる。会社が斎藤さんとか斎藤さんの事務所に献金をするのは企業献金になりますから。今、企業団体献金をどうするかって話題になっています。これはダメなんです。政党でないといけないんですよ。斎藤さんの場合は無所属ですから。それだけで政治資金規正法の違反の疑いがあるんじゃないかと思います」と説明した。 また、25日の斎藤知事の記者会見で気づいた点も指摘。「記者の人が“無償であっても寄付行為で別の違法になるんじゃないですか?”って聞いていましたよね。そうしたら“公職選挙法違反になることはしていません”って言ったんですよ。そりゃあ、そうです。政治資金規正法の問題ですから。非常にうまく使い分けている」と説明した。 斎藤知事をさらに追及する方法として「“じゃあ、政治資金規正法違反はどうですか?”ってたたみかければ本当は良かった」と話していた。