ECB総裁、インフレ目標達成「近づく」 サービス価格が要注意=FT
[23日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、ユーロ圏がECBの中期インフレ目標達成に「非常に近づいている」との認識を示した。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が23日公表したインタビューで述べた。 ラガルド総裁は今月、インフレ率が目標の2%に向かって低下し続ければ、ECBは一段の利下げをすることになると述べていた。 ラガルド総裁はインタビューで「インフレ率を中期目標の2%に持続的に到達させたと宣言できる段階に非常に近づいている」と述べた。ただサービス価格の動向に引き続き警戒する必要があるとも指摘。「直近のインフレ率は2.2%だ。しかし、サービスインフレは3.9%であまり動いていない。4%前後で推移している」と述べた。 トランプ次期米大統領による関税の脅しに対し欧州が報復することには反対だと述べた。 「私は、報復は悪いアプローチだと言った。なぜなら、全体的な貿易制限、報復といったいたちごっこのような対立的な方法で貿易に対処することは、世界経済全体にとって悪いことだと思うからだ」と語った。 同紙によると、ECB理事会メンバーのマクルーフ・アイルランド中央銀行総裁も、ユーロ圏のサービスインフレの一部の要素がやや懸念されると指摘。ただ、トランプ氏の行動を予測することはほぼ不可能であり、来年の見通しは不透明だと述べた。 マクルーフ氏はECBに50ベーシスポイント(bp)の利下げを求める声が出ていることについて、状況が変わらない限り、大幅な利下げではなく段階的な利下げが依然望ましいと発言。 「私はこれまでも、そして現時点でも、突然の大幅な変更の必要性を感じていない」とし「その種の保険的な利下げを実施して物価安定目標を複雑にすることは望んでいない」と述べた。