渋谷に音楽文化の創造拠点、ヤマハがオープン 最新の楽器や技術を紹介 研究開発施設も
ヤマハは15日、東京・渋谷の複合施設「渋谷サクラステージ」に、ブランド発信拠点「ヤマハサウンドクロッシング渋谷」をオープンする。ミュージシャンなどクリエーターのためのスタジオや、最新の楽器や技術を展示する体験型施設などを整備した。14日、内覧会を行った。 サクラステージ内の「サクラタワー」(地上30階、地下1階)8階に入る「ラウンジ」は広さ710平方メートル。一般には非公開の研究開発施設で、新しい音楽や楽器を創造する。ギター、ドラムなど楽器別と、コントロールルームを含めた五つのスタジオをデジタルネットワークでつなぎ、レコーディングができる。 最新の楽器や著名音楽家ゆかりの名品も展示した。故坂本龍一さんの遺族から譲り受けたという「オペラピアノ」や、スティービー・ワンダーさんが愛用したシンセサイザー、スティーブ・ガッドさんのドラムの同型機種などが並ぶ。 テラス部分の「サクラサイド」3階に設けた一般向け体験型施設「ラボ」(250平方メートル)では演奏や最新楽器の展示のほか、アーティストの演奏を楽器で忠実に再現する「リアルサウンドビューイング」といった最新技術を発表する。 同施設はヤマハが1975年に開設した所属アーティストのレコーディング施設「エピキュラス」があった場所に建設され、中島みゆきさんや長渕剛さん、チェッカーズら、多くのミュージシャンが関わった〝聖地〟。95年に「エレクトーンシティ渋谷」に生まれ変わり、浜松市の本社とともに歌声合成ソフト「ボーカロイド」の開発拠点にもなった。2018年の同地区再開発で閉鎖されたが、6年ぶりに再進出した。 ヤマハミュージックジャパンの松岡祐治社長は「アーティストにとっても待望の施設。渋谷から再び新しい音楽文化が生まれることを期待したい」と語った。
静岡新聞社