平均年齢は53.9歳 期待の新人19歳や元海上保安官らがバス運転士に 深刻なバス業界の人手不足
(上川さん) 「バス停や経路を覚えるのが本当に大変。左折右折が大変だし、車両の重さも考えながら運転しないといけない」 まだ3か月間の研修を終えたばかりの上川さん。この日は2度目の営業運転で、130キロ先の京都駅に向かいます。デビューは果たしたものの、営業運転中はしばらくは?指導担当が立ち会います。先輩に見守られながら、独り立ちに向けて慎重にハンドルを握ります。 (指導員) 「丁寧で焦らず安全運転で良い。乗っていて安心」 (乗客) Q乗り心地は? 「ゆっくり。安全運転。誰にだってそういう(新人の)時はあるので、なるべく早く経験を積んでベテランになってもらった方が良い」 (上川航河さん) 「たくさんの人から注目して見られているので、1回事故しただけで、『やっぱり19歳はダメなんだ』と思われてしまう可能性もあるので、丁寧に安全運転で事故なく運転したい」 ■20歳で“地域の足”を支える存在に 一方、愛知県豊橋市に本社を置く豊鉄バス。ここにも、特例講習を受けた20歳の新人運転士の姿が(10月取材)。 (新人太田さんの車内アナウンス) 「ご乗車ありがとうございます。このバスは11時15分発…」 太田輝さんは、10月デビューした豊鉄バス史上最年少のバス運転士で、現在は豊橋市内を走る路線バスを担当しています。 (豊鉄バス 太田輝さん)「今見た感じ、後ろのブレーキランプが消えている…」 (上司)「ここ?」 (太田さん)「そうです(作業…)」 (上司)「違う違う。後ろからソケットを回す」 車両のトラブルがあっても、先輩から教えてもらいながら落ち着いて対応。一人前のドライバーとして地域の足を支える存在になっています。 (太田さん) 「最初の頃は(車体が)長いので、慣れるのが大変だった。安心安全にお客さまの行き先まで、ちゃんと送り届けるという使命でやっているので、しっかり緊張感を持ってやっている」 ■新人は元海上保安官「最後の勤務地は尖閣諸島」 そして豊鉄バスには、もうひとりの新人が…。 (豊鉄バス 溝口洋一さん) Q以前はどういう仕事を? 「最後の勤務地は尖閣諸島。海上保安官として30年以上国防にあたっていた」