今年は大玉傾向 特産の干し柿「市田柿」作りが最盛期
長野県の飯田下伊那地域特産の干し柿「市田柿」作りが最盛期を迎えている。飯田市上郷飯沼の柿農家松沢正芳さん(65)宅では10日ほど前から、同市座光寺の加工場で作業が進む。今年は9月以降の雨や高温で大玉傾向といい、乾燥に時間がかかるため、店頭販売は例年より5日ほど遅く12月上旬を見込んでいる。 【写真】柿、柿、柿に包まれる 松沢さん宅では10人弱で作業。機械で皮をむいた後、ビニールハウス内につるした長さ約2メートルのひもにへたを引っかけていった。周辺農家の収穫分も加工し、今年は計13トンほどを出荷する。松沢さんは「大玉は乾燥に時間がかかる分、品質管理が難しい。一口で甘さを実感できる干し柿を作りたい」と意気込む。 みなみ信州農協(飯田市)によると、今年は昨年同様の約1100トンを出荷予定で、糖度も平年並みという。同農協営農部係長の米山直樹さん(39)は「温暖化で色づき前に実が軟化するなど農家は生産に苦労している。こまめな収穫や出荷を促したい」と話した。