【Playback箱根駅伝】第13回/慶大 劇的な初優勝! 10区で早大、日大を逆転
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの) 第13回箱根駅伝総合成績をチェック
第13回(1932年/昭和7年) 5000m日本記録保持者の慶大・北本正路が激走 往路初Vの日大はあとわずかで涙
前年出場校のうち東農大が出場を取り止め、関西から出場した関大を含む9校で行われた。第1回大会に出場した学校で、ただ1校優勝経験のなかった慶大が悲願の初優勝を果たした。 レース序盤は中大が先行する。1区・佐藤昇、2区・今岡悟郎が立て続けに区間新記録をマークし、2位の慶大と3分57秒差の独走態勢を築いた。 3区から追い上げたのが日大。森本一徳が区間新記録の快走で4位から2位に順位を上げると、4区の大木慶男も区間賞で中大を抜いて先頭に立つ。5区の曽根茂も区間1位の快走でリードを広げ、11回目の出場にして初の往路優勝に輝いた。2位は5区で順位を1つ上げた慶大が入ったものの、日大とは6分59秒差をつけられた。 復路でも日大は大崩れすることなく首位を守る。その中で追い上げたのが往路3位の早大。7区の角谷保次が区間賞の走りで慶大を追い抜くと、8区の中田正男も区間トップでつなぎ、日大との差を6分2秒まで詰めた。 一方、慶大は7区を終えた時点で日大と11分11秒差の3位に沈んだが、8区から反撃を開始する。竹中正一郎が区間2位、9区・久武親人が区間賞で盛り返す。それでも鶴見では日大と6分29秒の差があった。 慶大の10区を任されたのは5000mの日本記録保持者で、7ヵ月後のロサンゼルス五輪の10000m代表となる北本正路。北本は六郷橋で早稲田をとらえて2位に上がると、日大を猛追。蒲田で4分差、北品川で2分差と追い詰めると、増上寺の山門前でとうとうトップを奪った。見事な大逆転劇で慶大が総合優勝。2位は日大で1分35秒差、3位の早大も日大から1分23秒差と三つ巴の好勝負だった。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)
月陸編集部