「あまおう」権利期限切れ 県外栽培OKで福岡どうする? イチゴ戦国時代の開発競争
福岡の高級イチゴ「あまおう」の無断栽培を防ぐ権利の期限を今月中に迎えます。「イチゴ戦国時代」とも呼ばれる激しい開発競争のなか、今後、福岡がどう戦うのか注目されています。 【画像】栃木の「とちおとめ」は育成者権が終了 「とちあいか」に世代交代
■栃木の「とちおとめ」は新ブランドに世代交代
福岡県 服部誠太郎知事 「トップブランドとしてのあまおうの地位を、揺るぎないものとしていく努力を続けてまいりたいと思っています」 「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」それぞれの頭文字から名付けられた、福岡が誇る高級ブランド「あまおう」。 今月、福岡県が持っている「あまおう」を独占で生産できる育成者権が切れるため、県外でも栽培が可能になります。 さまざまな品種が開発される「イチゴ戦国時代」。西の横綱が「あまおう」なら、東の横綱は栃木の「とちおとめ」です。 そんな東のトップブランド「とちおとめ」の育成者権が2021年に切れたため、全国各地で作られるようになりました。 そこで栃木は新ブランド「とちあいか」の品種改良に着手。去年は8割以上、このブランドイチゴを生産し、世代交代に成功しました。 一方、福岡県は権利が切れた後も「あまおう」の名称は県内の生産者限定として苗は福岡のJAが一括管理し、県内の生産者のみに流通させる方針です。 福岡は「あまおう」ブランドにこだわる道を選びました。地元農家はこう話します。 楽農ファームたけした 武下浩紹さん 「(ブランドを)20年間よくぞ守ってくれた。あまおうという名前は福岡限定。そういった戦略は素晴らしい。(あまおうは)20年間苦労して作ってきた技術と誇りがある。(他県で)一からやるとなった時に(大変すぎて)地獄を見ると思う」
■専門家、福岡の姿勢は評価「20年も戦える」
ただし、栽培に手間がかかる「あまおう」の生産者は、高齢化や後継者不足のため年々減少しています。 こうした人手不足を解決するため、県は地元企業と繊細さが要求されるパック詰めロボットを共同開発しました。イチゴを自動で収穫するロボットも別の会社が開発中です。 11日には「あまおう狩り」ができる新たな観光スポットもオープン。「あまおう」を盛り上げています。 イチゴビジネスの専門家はこう話します。 新品種を開発 イチゴテック 宮崎大輔代表 「今度、あまおうじゃない名前で商標登録を自分でして、あまおうじゃないブランドを作るということも可能になってくるので。同じ品種だけど、あまおうとそうじゃないブランドが、どんどん乱立するという可能性が出てきます」 それでも、「あまおう」ブランドを守り抜こうという福岡県の姿勢は評価できるといいます。 宮崎代表 「(福岡が)一致団結して、今後もあまおうのブランドを維持していくぞというふうになっているというのは、すごくいい。(あまおうの)ブランドイメージを守っていければ(この先)20年も戦えると思います」 (「グッド!モーニング」2025年1月9日放送分より)
テレビ朝日