結成45周年&平均年齢67歳! 12人編成のビッグバンドを率いる吾妻光良がじみじみ語る音楽、バンド、酒、ちょっぴり健康!「65歳を過ぎて、自分がこんなに子どもだとは思わなかった(笑)」
吾妻 そう。結構、身近なこともネタにしますよ。この間も居酒屋で見かけた若いやつが嫌だなと思って、「若いやつが嫌いだ!」って歌を書きそうになったり(笑)。結局、書かなかったけど。 ──若いやつのどこが嫌だったんですか? 吾妻 遠くに離れてる相手と乾杯するとき、「ブルートゥース!」って言って乾杯してて、それが嫌だなって(笑)。 ──あははは。世代間ギャップがありますね(笑)。 吾妻 時代が変わったなと思った(笑)。でもね、僕が好きなリズム&ブルースが生まれていた時代からすっごい年月は経ってるし、アメリカと日本で国も違うけど、人間が思ってることって案外そう変わんない部分もある。昔のリズム&ブルースの歌詞で今も通じる内容っていっぱいあるし、そのへんに気づくとまた面白いですよね。 ──そうしたユーモラスな歌詞に加え、愛嬌のある吾妻さんの歌い方、8人のホーンセクションから生まれる軽快なムードなど、バッパーズの音楽には常に楽しさが盛り込まれています。ライブではみんなニコニコしながら心地良さそうに体を揺らしています。 吾妻 以前、ルイ・ジョーダンが、インタビューでこう言ってたんですよ。「私は、自分のライブを見に来てくれた人に暗い気分になってほしいんじゃなく、ただただ楽しい気持ちで帰ってほしいんだ。だから、悲しい歌を歌わないんだよ」って。俺も同じで、自分たちのライブもそうなればいいなみたいなとこはありますね。ま、自分たちだけでできることには限界がありますから、ライブでは女性のゲストを呼んだりしますけどね。女性ゲストがステージにふっと登場したら、華やかで楽しいじゃないですか。俺たちみたいなじじいばっかが、ずっとステージに出ててもね(笑)。 ──女性ゲストという意味では、今作にはEGO-WRAPPIN'の中納良恵さんとシンガーソングライターのLeyonaさんが参加しています。 吾妻 EGO-WRAPPIN'は、ギターの森(雅樹)くんにも参加してもらってます。よっちゃん(中納)は相変わらずパワフルですし、森くんのプレイも一発オッケー。Leyonaは、今回歌ってもらった「L-O-V-E」って曲を昔から何回も歌ってるから、すごくスムーズでした。みんな素晴らしかったなと思います。 ──ニューアルバムのタイトルの「Sustainable Banquet」は、"持続可能な打ち上げ"という意味なんですよね? 吾妻 というか、俺たちは昔からライブのあとは打ち上げをして飲んでるからね。これからも何があっても打ち上げを持続していくぞって意味合いもあるかな。 ──意気込みみたいな(笑)。吾妻さんは普段もしっかり飲んでるんですか? 吾妻 昔ほど量は飲まなくなったけど、嗜(たしな)む程度ですとは言えない(笑)。それでも体のことを考えて、週に1回は休肝日にしてますよ。昨日は飲まなかったから、今日は飲む日! ──さすがブルースマン。吾妻さんの人生の中で、お酒は大きな意味を持っている?