脱脂粉乳でクラフトビール 酪農・乳業の理解醸成へ ホクレン×アグラボ
ホクレンとアグベンチャーラボ(アグラボ)は12日、北海道産の脱脂粉乳を使ったクラフトビール(発泡酒)の販売を始めた。脱脂粉乳の特徴を生かした味わいを実現。商品ラベルには生乳の生産や乳製品加工、需給調整などを解説する特設サイトにつながるQRコードを記載した。消費拡大と、酪農・乳業への理解醸成につなげる。 発売した「北海道ミルクエール」は、農業の課題も反映させたビールを造り、消費者に農業への関心を高めてもらうことを狙うブランド「異端児エール」の第3弾。ペールエールビールに脱脂粉乳を使い、クリーミーな泡とまろやかな味わいを実現した。アグラボによると、チーズやデザートなどにも合い、ビール好き、牛乳好きともに楽しめる味に仕上がったという。 特設サイトでは、乳牛が生まれてから搾乳できるまでの期間などを紹介する。生乳は保存が難しく、脱脂粉乳などに加工して保存や需給調整をすることなどを解説している。 コロナ禍では生乳の需要が減少し脱脂粉乳の消費対策が課題になった。脱脂粉乳を活用した商品開発や酪農への理解醸成は、生乳生産基盤の維持や生乳需給安定の鍵を握る。 「北海道ミルクエール」は330ミリリットルで、1000円(税別)。300本を限定販売する。JA全農の通販サイト「JAタウン」などで買える。
日本農業新聞