「富士山ド~ンッ!」三ツ峠山で絶景を眺めながら考えた「この大自然を守るために」
誰かの落とし物だろうか。霜をかぶったメガネが木と一体化していた。落としものは持ち主に戻らなければごみとなる。忘れもの、落としものをしないために、ポケットのものの出し入れ時や、休憩の後には忘れものがないか確認してから出発するなど、意識を高めたい。
苔は寒さにとても強い。凍っても、寒風にさらされても枯れることなく眠って春を待つ。小さくて生命力が強く、原始的でしたたか。苔のサバイバル術には、見習うべき点が多いように思う。
山頂の手前にある山荘の看板が見えたら、あともう少し。ここからはアイゼンを履いて山頂へ。先に進むと一気に視界が開ける。この付近は、富士山が間近に迫る最高のビューポイントだ。爽快な眺望を楽しんだら三ツ峠山荘で小休止。トイレを借りたり(有料)、飲み物を買ったりもできる。
富士山づくしの絶景!
標高1785mの三ツ峠山は、山梨県都留市、西桂町、富士河口湖町の境界にある。修験道の祖といわれる役行者(えんのぎょうじゃ)によって、奈良時代に開かれた。名前に「峠」とついているが実際には峠ではなく、開運山(1785m)、御巣鷹山(1775m)、木無山(1732m)の3つの頂きの総称といわれる。
いよいよ最高峰の開運山へ。山荘を過ぎると、ここからは最後の急坂。木階段を一歩ずつ着実に。振り向くと、富士山の絶景!
富士山周辺には多くの富士眺望に優れた山があるが、なかでも三ツ峠は日本一との呼び声が高い。
三ツ峠山荘から15分ほどで山頂に到着。富士山、南アルプス、八ヶ岳と360度の大パノラマが広がる。この絶景が三ツ峠山登山最大の魅力だ。眼下には御巣鷹山、木無山も見える。山頂付近には2軒の山小屋があり、冬場でも営業している。雪景色の三ツ峠を撮影するために、山頂付近で宿泊することも可能だ。
富士山を眺めながら持参した昼ごはんを食べたら、頂上からは河口湖畔方面に向かって南側を下りる。午後になって雲が出はじめたが、富士山を眺めつつひたすら下る。均整の取れた円錐形のシルエット、なめらかで美しい裾野が広がり、どっしりと構える富士山は神々しく、何度目をやっても飽きることがない。やはり富士山は日本に住む人にとって “心のよりどころ”のような存在なのだろう。