共産・志位和夫委員長が会見(全文1)都議選、対決の軸は自民公明対共産党
日本共産党の志位和夫委員長が20日午後3時から東京の外国特派員協会で記者会見した。23日に告示される都議選(7月2日投開票)を同党がどう戦うか語った。
都議選、本当の対決の軸は自民公明対日本共産党
志位:日本共産党の志位和夫でございます。今日はお招きいただきまして誠にありがとうございます。今日は都議選に向かう日本共産党の立場についてお話をさせていただきたいと思います。4年前の都議選で日本共産党は8議席から17議席に躍進し、都議会で第3会派として活動してきました。今日は日本共産党の、まず目標でありますが、現有17を必ず確保し、そして上乗せを図るというのが今度の選挙に向かう目標であります。まずこの都議選の政党対決の構図はどうなっているかという問題です。メディアの多くは小池知事対自民党が、対決だというふうに書いております。 私たちは違った見方をしております。自民公明対日本共産党、ここに本当の対決の軸があるということを訴えております。その対決構図が告示を前にしていよいよ鮮明になっているというのが特徴だと思います。私たち3つの訴えを今、重視して行っております。第1は安倍自公政権による憲法の破壊と国政の私物化に首都東京から審判を下そうという訴えです。今、政治情勢の激変が起こっていると思います。昨日、各メディアが世論調査の結果を発表いたしましたが、安倍政権の内閣支持率が軒並み急落しています。共謀罪法を中間報告という異常な禁じ手を使って強行したこと、加計学園に関する疑惑隠しの不誠実な態度を取り続けていること、この2つに対して国民の怒りが集中し、沸騰している。これが今の状況だと思います。 この2つの問題で矛盾や怒りが広がる中で、関係筋からともかく早く法案を採択してしまえと。で、時がたてば国民は忘れるだろうという声が聞こえてきたことが報道されました。こういう卑劣な打算から強行に走ったわけでありますが、私は政権と与党のこの打算は完全に裏目に出たと思います。昨日の安倍首相の会見はそれを取り繕うためのものでしたが、率直に言って内容は見苦しいものでした。彼は印象操作のような議論に対して、つい強い口調で反論してしまったことに深く反省していると述べました。反省を口にしながら印象操作と悪態をつく。こういうのを普通反省とはいいません。日本では都議選は地方選挙ですが、常に時々の国政への都民的審判という全国的意義を持つ選挙となってきました。今回の選挙ではとりわけそうなっていると思います。 とりわけ3つの国政問題について安倍自公政権の行いに対する審判を訴えていきたいと思います。1つは共謀罪法です。この法律が憲法19条で絶対的に保障されている、思想、良心の自由を侵害する違憲立法であることは、私は審議を通じてはっきりしたと考えております。安倍首相は昨日の会見でテロ対策のためだと、一般人は対象にならない、このことをただ繰り返しました。しかしどちらも国民を欺くうそであることは国会の審議で明らかになっていることです。私たちは憲法違反の共謀罪法は廃止にということを訴え、その論陣を大いに都議選においても張っていきたいと考えております。 加計疑惑では官邸の圧力で、公平、公正であるべき行政がゆがめられたのではないかという疑惑がいよいよ深刻になっております。安倍首相は昨日の会見で決定プロセスが透明で公平、公正だったと強弁しましたが、まさにそこが疑惑に包まれています。なぜ京都産業大学は排除し、加計学園だけに獣医学部新設を認めるような条件が盛り込まれたのか。そこに首相の最側近である萩生田官房副長官、さらには首相自身の関与があったのではないか。これは疑惑の核心です。 今日は文部科学省が新しい文書を発表しました。萩生田官房副長官が加計学園の名前を挙げた上で、内閣府そして総理補佐官と相談した結果として四国で獣医学部新設が認められるようにするため具体的な指示をしたという内容になっています。官邸は絶対にやると言っている。総理は平成30年4月開学とおしりを切っていたなどと具体的な時期を示して新設を認めるよう求める発言をしたと記されています。文書の後半には加計学園の事務局長を文科省の課長のところに行かせるという発言もあったと記されています。日付は10月21日、事業者が加計学園に決まる3カ月前です。この時点で萩生田氏が加計学園と具体的な名前を示して指示を出していた。これは極めて重大な文書です。 先日の参議院予算委員会でのわが党の小池晃書記局長の質問に対して、萩生田氏はこの問題について指示を出したことは一切ないと答弁しました。萩生田氏が深く関与していたのではないか、そして答弁は虚偽だったのではないか、この極めて重大な疑惑が持ち上がってきました。わが党としては野党4党結束しまして閉会中の審査、集中審議、そして関係者の証人喚問を強く求め、真相究明のために力を尽くしたいと決意をしております。 それに加えまして安倍首相の9条改定発言も大問題であります。この問題の本質は単に存在する自衛隊を憲法上追認するということにとどまるものではありません。1項、2項とは別の、独立した項目で自衛隊の存在理由を書けばそれが独り歩きして自衛隊の役割と活動が歯止めなく広がっていくことになることは避けられません。9条2項が空文化、死文化し、自衛隊の海外での武力の行使が文字どおり歯止めがなく広がっていくことになります。安倍自公政権による憲法破壊から、世界に誇る9条を守れ。このことも多いに訴え、都議選での勝利を期したいと決意しております。