名物ヒマワリ種がベンチから消える…メジャーが7月開幕に向け67ページ厳格新型コロナ感染予防マニュアルを作成
7月上旬の開幕を目指しているメジャーリーグが厳格な新型コロナウイルス感染予防対策マニュアルを作成し選手会に提示していることが明らかになった。米スポーツメディアの「ジ・アスレチック」が67ページに及ぶ文書を入手してスクープ、ESPNなど複数メディアが追いかけて報じたもの。 各メディアの報道によると、試合中のハイタッチ、グータッチ、唾吐き、ベンチ、ロッカー内での噛みタバコ、メジャーリーグ名物のヒマワリの種を食べて吐き出すことも禁止される。 メジャーでは、気分転換と塩分補給のためにヒマワリの種を口に放り込み、皮だけをベンチの下に無造作に吐き出すことが通例で、試合後の掃除が大変なほどゴミが溜まる。マナーが厳しい日本では見慣れぬ風景だが、エンゼルスの大谷翔平らもヒマワリの種を口に入れる姿が見受けられた。 また試合に出場しない選手や他のチーム関係者は、スタンドで少なくともソーシャルディスタンスの6フィート(約183センチ)離れて座り、選手は、国歌斉唱時にも同じ距離を取って並ぶ。投手は、登板に備えブルペンで投げる際に、各自が自分用のボールを持ち込むことまでが義務づけられる。 試合後に球場でシャワーを浴びることも制限され、遠征先では、タクシーやライドシェアを利用することが禁止され、原則的に外出も制限される。これらの厳格な感染予防マニュアルは、医療アドバイザーの助言をもとに作成された原案だという。 また再開前には1週間で選手、コーチ、関係者ら1万人規模の抗原検査を実施する方向で、球場内の施設を見直し感染予防対策を万全に整えることも求められる。 厳格な新型コロナ感染予防対策マニュアルだが、各メディアの見解は、これらを選手や関係者が順守して開幕を迎えることに対しては懐疑的だ。 米スポーツ専門メディアのESPNは、「6月中旬に球団施設に戻り、7月上旬の開幕を達成する前に、たじろぐほどの尽力を要することになるだろう。詳細なマニュアルに目を通した複数関係者は、ESPNに対して、短期間でこれらが実施可能になるかという点について疑念を示した。検査、移動、球場内での調整、フィールド上のルールなど、様々な分野において徹底的な感染予防対策が作成されたが、実行可能かどうかの多くの疑問に対しての回答はない。今後、この問題は、リーグと選手会がプレー再開の交渉を続ける中で、対処されていくだろう」と主張。