学資保険の設定額は「200万円」です。保険会社に勧められたプランだったのですが、大学入学に必要な資金は賄えますか?
子どもの大学進学に備えて、学資保険に加入している方もいるでしょう。しかし、どの程度の金額が実際に必要なのか、このままのプランで足りるのか、不安に感じることもあると思います。そこで本記事では、学資保険と大学入学時の費用について、以下の3点を解説します。 ・学資保険の受取総額の目安 ・大学の入学費と初年度授業料の目安 ・生活費について 学資保険にすでに加入している方や、加入を検討されている方はぜひ参考にしてください。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説
学資保険の受取総額の目安
学資保険の受取総額は200万円が相場とされます。したがって、今回のケースの設定額は一般的な水準といえるでしょう。 ただし、学資保険は大学進学以外の目的でも利用されます。大学入学に必要な資金を目的に限定した場合、設定金額の200万円ですべて賄えるのか見ていきます。
大学の入学費と初年度授業料の目安
学資保険の設定金額が適正か検証するためには、大学入学に必要な金額の把握が重要です。 株式会社日本政策金融公庫によると、国立大学、公立大学、私立大学の入学費と初年度の授業料は表1の通りです。表1のうち、合計金額が最も低いのは国立大学の約81万8000円、最も高いのは私立大学/医療系の約395万9000円となります。 表1
出典:株式会社日本政策金融公庫「教育資金はいくら必要? かかる目安額をご紹介」を基に筆者作成 また、私立大学では表1の費用に加えて「施設設備費」を求められることが多いです。施設設備費とは、学校の施設や設備を拡充、維持するための費用のことです。学部別の目安は次の通りです。 ・文系:約14万8000円 ・理系:約17万9000円 ・医療系:約93万1000円 ・その他:約23万6000円
生活費について
大学生活で必要なお金は学費だけではないでしょう。一人暮らしをする場合は、仕送り金などが生じる可能性もあるでしょう。 株式会社日本政策金融公庫の令和3年度「教育費負担の実態調査結果」によると、高校生以上の子どもへの仕送り金額は年平均95万8000円です。また、アパートの敷金や家具の購入費用などの「自宅外通学を始めるための費用」として平均38万7000円が必要ということでした。 上記の仕送り金(95万8000円)と自宅外通学を始めるための費用(38万7000円)に、大学入学金、初年度授業料、施設設備費を合算すると、約216万3000円~約623万5000円です。いずれにおいても、学資保険200万円を上回る金額です。 なお、生活費は地域や住居によって増減すると考えられます。子どもの進学先が具体的に決まっていない場合は、平均を多少上回る金額を想定するといいでしょう。