倉科カナ「高校生の休憩時間みたい(笑)」シリアスな撮影もカメラが止まるとニッコリ<情事と事情>
倉科カナが主演を務めるオリジナルドラマ「情事と事情」が12月5日よりLeminoにて独占配信中。本作は同名小説を原作に、さまざまな事情を抱える男女の関係が複雑に交差し意外なつながりを見せていく、“情事と事情”が絡み合う恋愛群像劇。主人公・結城愛里紗を演じるのは、本作で監督を務める井樫彩監督との初タッグ作品「隣の男はよく食べる」(2023年、テレ東系)ほか多くのドラマに出演する倉科。倉科は愛里紗の他に、双子の島崎英里華も演じている。今回は気になる撮影現場を独占取材。潜入した現場は、物語も佳境を迎えた終盤、愛里紗の家での夫・修(金子ノブアキ)とのシーン。また、同日に行った倉科のインタビューもあわせてお届けする。 【写真】かわいい…!カメラが止まり、撮影で使った料理を食べてニコニコの倉科カナ ■ワインの開栓に大苦戦!スタッフの協力にほっこり まずは、愛里紗ひとりのシーンからスタート。高級住宅街にある瀟洒(しょうしゃ)な一戸建て。家の中は掃除も行き届いていて、キレイで清潔感がある。帰宅した愛里紗はリビングに入ると、持ち帰ってきたワインをテーブルの上に置いた。そして、ワイングラスを用意して、そのワインを飲む、という場面。 リビングに入ってきてからテーブルにワインの瓶を置き、グラスに注いで口に運ぶという一連の流れの中で、愛里紗はほとんど表情を変えずにいる。その表情からは愛里紗が何を考えているのか窺い知ることはできない。 ひとりのシーンで、セリフも無く、喜怒哀楽を表現する感じでもないが、それでも愛里紗の一挙手一投足に彼女が思う“何か”が感じられ、現場にも緊張感が溢れていた。 そんなシリアスな場面ではあるが、ほっこりする瞬間もあった。愛里紗がグラスを用意して、ワインを開けようとした時、コルク栓がきつかったのか、オープナーを使ってクールな表情で引き抜こうとしていたがなかなか抜けずに大苦戦。 スタッフの協力を得て、コルク栓が抜けるギリギリまで引き上げた状態で撮影を再開し、なんとか開栓することができて、シーンも無事に撮り終わった。 カメラが回っている間は倉科もクールな表情をキープしていたが、カットがかかると安心して笑顔になり、スタッフも含めて安堵した雰囲気になり、一気に和やかになった。 ■倉科&金子が笑顔に 食事シーンの料理はおいしくて箸が止まらないほど もう一つのシーンは、愛里紗と修がリビングで食事をするシーン。出張帰りの修が帰宅し、愛里紗が優しくお迎えする。 テーブルの上には和食のお昼ご飯が用意されていて「最高。愛里紗の和食、食べたかったんだよ」と修が言うと「張り切って作りすぎちゃった」と愛里紗も笑顔で返す。 いろいろ複雑な人間模様が描かれていて、シリアスなシーンが多い作品の中で、ここは一見“仲睦まじい”夫婦の何気ない日常のシーンとなっている。食事をしながら、留守中のことを報告したり、終始穏やかに進んでいく。 ここに用意された食事は、フードコーディネーターの方によるおいしい料理で、近くから見ているだけでも食欲がそそられるほど。実際、味も抜群で、倉科も金子も思わず笑みがこぼれていた。 撮影中も食事に箸をつけていたが、カットがかかった後も箸が止まらず、金子も「美味いっすよ」と大満足の様子。美味しい食事で、きっとその後の撮影もいいテンションで臨めたはず。 ■倉科カナ・インタビュー 撮影の合間は「高校生の休憩時間みたい(笑)」 ――今回、愛里紗と英里華の2役を演じるということで、かなり演じ甲斐がありそうですね。 倉科:はい。2役を演じる作品はこれまでにもいくつか経験があるので、2役自体は珍しくないんですけど、双子の役は初めてなんですよ。 過去の作品では2役だけど別々のシーンに登場するという感じだったんですけど、今回は初めての双子で、しかも同時に存在するというのも初めてだったので大変でしたね。 ――これまでの2役の演技とはまた違う経験を。 倉科:はい。今日はひとりのシーンと修さんとのシーンなので、通常の撮影だったんですけど、昨日はその双子のシーンの撮影があって、会話するタイミングとかを合わせたりするのも大変ですし、1つのシーンで2人分撮るので、それだけでも単純に撮影時間が2倍なんです(笑)。 ――同時に2役だと切り替えも難しそうですね。 倉科:双子だけど性格が違うので、そのへんは意外と難しくはなかったかも。英里華ちゃんは、自分の欲に対して素直なところがあるので、分かりやすい性格だったりします。 愛里紗のほうは、汚いものを見ないようにしたり、どちらかというとあまり感情表現がない感じで、何考えてるのか分からないんです。美しいものを求めすぎてて、中間の感情が抜けてる感じもあったり。 ――先ほどのリビングでワインを飲むシーンでも、かなり無表情というか、何を考えているのか読めない感じがありました。 倉科:そうなんです。何を考えてるのか分からない感じもしますし、空っぽな感じもあって。空っぽの中にポツンと本音があるんですけど、ひとりのシーンはセリフも無いので、余計に感情が分かりにくくなってます。 ――そして金子さんとのシーンは、穏やかな雰囲気で。 倉科:作品はシリアスですけど、撮影の合間とかは、今日に限らず、いつもすごく穏やかで和気あいあいとした雰囲気なんです。普通に明るいですし、高校生の休憩時間みたいな感じですね(笑)。 ――カメラが回ってない時はすごく楽しそうに感じました。 倉科:笑いが絶えない現場です(笑)。金子さんとは2回目の共演なんですけど、いろんな役柄のイメージがあって寡黙な役も多いので、最初にお会いした時は緊張したんですけど、役のイメージとは真逆で、すごくチャーミングな方なので、今回も緊張せずに撮影に臨めました。 ――今回は撮影現場に入らせていただき、お話も聞かせていただいてありがとうございます。 倉科:いえいえ。このドラマは、いろんな業が渦巻いている物語で、その業が入り乱れていて“人生って面白いな”って感じられる作品なので、ぜひたくさんの方に見て楽しんでいただきたいと思います。 ■「情事と事情」あらすじ 裕福な家庭の娘として生まれ、装幀家として活躍する結城愛里紗(倉科カナ)。愛里紗の夫で会社役員の結城修(金子ノブアキ)。愛里紗の友人でフリーライターの中条彩江子(さとうほなみ)。カメラマンの世良晴人(佐藤寛太)。愛里紗の夫・修と愛人関係にある玉木まりも(森香澄)。ピアニストの佐藤玲門(寺西拓人)と、その恋人でピアノバーの経営者兼バーテンダー・水無月流奈(真飛聖)。次第に各々が抱える事情が明らかになり絡み合って、意外な繋がりを見せていく大人たちの“情事と事情”を描いた物語。 「情事と事情」(全8話※1~2話は無料配信)はLeminoにて毎週木曜独占配信中。 ◆取材・文=田中隆信