〈ブライトリング〉とヒップスターの話。
モンティ・パイソンの創立メンバー、ジョン・クリーズに、ジャズ界の革命児、マイルス・デイビス。そして、フレンチポップの帝王、セルジュ・ゲンスブール。一見、なんの繋がりもなさそうだが、意外な共通項がある。実はこの3人、〈ブライトリング〉の名作クロノグラフ「ナビタイマー」の愛用者なのだ。3代にわたって、クロノグラフ機構への情熱を燃やしたブライトリング家が、1952年に開発した集大成。3つのカウンターに、ダイヤルを取り囲むようにびっちりと配された目盛り。回転計算尺を搭載し、ベゼルを回すと掛け算や割り算、速度や距離を瞬時に計測できるエポックメイキングな仕組みは、パイロットのみならず、オーバースペックに目がない男たちを惹きつけた。時代は巡り、多様性が叫ばれる昨今、男らしさの象徴だった名作もジェンダーレスに使えるようにアップデート。32㎜径から46㎜径まで幅広く展開し、目盛りも最低限にとどめたドレスライクな「ナビタイマー」が登場した。ゲンスブールがこれを見たら、奥方にプレゼントしたに違いない。 SMALL WATCH TALK
インフォメーション
2020年にリリースされた小ぶりなナビタイマー。象徴的なビーズベゼルや回転計算尺はオリジナルを踏襲しつつ、〈ブライトリング〉のDNAといえるクロノグラフをあえて省き計器的でありつつ、すっきりした顔立ちに。自動巻き。¥649,000(ブライトリング・ジャパン☎0120·105·707)
BRAND STORY
1884年、24歳のレオン・ブライトリングにより創業された〈ブライトリング〉。精度の高いクロノグラフ製作に情熱を傾け、息子ガストンの代、1915年に独立したプッシャーを備えた初の腕時計型クロノグラフの開発に成功。現在のクロノグラフの原型を作った。 photo: Tetsuo Kashiwada, illustration: Dean Aizawa, text: Koji Toyoda(2023年12月 920号初出)
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