給食がなくなる夏休み。子育て世代の悲願、学童保育の「昼食提供」はなぜ広まらない?
◆地域によってできることを考えるのが第一歩
現状の設備や人員を考えると、学校給食のような昼食を学童保育に求めるのは、直近の解決方法としては現実的ではありません。 学校の敷地内にある学童保育であれば、小学校の給食室を使えそうですが、長期休暇中には給食室をメンテナンスする学校もあるようです。 全国連協の事務局次長である佐藤愛子さんは、次のように話します。 「本当は成長期の子どもに必要な栄養素や旬の食材を考慮して、栄養士さんがメニューを考案してくれるのが理想的です。でもなかなか難しいのが実情です。 大企業に一括で仕出し弁当のようなものを頼むという方法もありますが、もし可能なら、地産地消にこだわる地域のお惣菜屋さんなどに用意してもらうのがいいだろうと思います。 地元のお店ならお店の人が子どもたちに声をかけてくれる機会や、子どもたちが親と利用する機会もあるだろうし、温かなつながりも生まれそうですよね」 もちろん大企業と違ってそんなに大量には用意できないため、現実的なハードルはあるでしょう。ただ頭から無理と決めつけず、検討する価値はありそうです。 希望するすべての児童に完全に昼食を出すのはそう簡単ではないと思いますが、まずはすでに提供している地域を参考に「これならできそう」など、各地域が可能性を探るところから始めてみるのもいいのかもしれません。 【参考】 *1:【茨城県境町】夏休み、児童クラブで給食センターで作った昼食が大人気! *2:放課後児童クラブの長期休業期間等における食事提供事例集(令和5年7月 こども家庭庁成育局成育環境課)
▼古屋 江美子プロフィール
子連れ旅行やおでかけ、アウトドア、習い事、受験などをテーマにウェブ媒体を中心に執筆。子ども向け雑誌や新聞への取材協力・監修も多数。これまでに訪れた国は海外50カ国以上、子連れでは10カ国以上。All About 旅行ガイド。
古屋 江美子(ライター)