戯曲の世界映画で 高志の国文学館「井上ひさし展」
●「父と暮せば」上映 70人、平和かみしめ 高志の国文学館(富山市)の企画展「生誕90年 井上ひさし展 むずかしいことをやさしく やさしいことをふかく ふかいことをおもしろく」(同館主催、富山新聞社共催)で2日、井上さんの戯曲を元にした映画「父と暮せば」の上映会が開かれた。来場者約70人が平和の尊さをかみしめた。 映画は原爆投下から3年後の広島が舞台となっており、少女が幽霊となって現れた父に励まされ、悲しみを乗り越える物語で2004年に公開された。 学芸員の小林加代子さんが「父と暮せば」の原稿は、「私らはここをはなれまいね」というせりふをはじめ、被爆者の手記から書き抜いた言葉を取り入れていると指摘した。 井上さんが使用していた広島の方言辞典には、標準語と広島弁の対照語が書き込まれている。小林さんは「自分なりの方言辞典にすることで、生き生きとした自然なせりふを生み出すことができた」と話した。 会場には「父と暮せば」の創作ノートや台本、井上さんの愛用品など208点が並ぶ。企画展は11月24日まで。観覧料は一般500円、大学生250円、高校生以下は無料。 ●きょう展示解説 3日と17日には担当学芸員によるギャラリートーク(展示解説)が行われる。いずれも午後2時から30分間で申し込みは不要。