【オートレース】森且行 アクシデント遭遇も準々決勝進出 レース後は相手気遣う~G2浜松記念曳馬野賞
オートレーサーの森且行(50)=川口・25期=は20日、静岡県浜松オートレース場で開催中のG2「第2回浜松記念曳馬野賞」2日目・第8レース「二次予選B」に出走。8車立ての大外からスタートしたが、直後にマシンの挙動を失った小栗勝太が寄ってきて、森の左車体に接触するアクシデントに遭遇してしまい、大きく後方へ。絶望的な位置まで下がってしまったが、そこからこん身の追い上げを披露して、何とか5着までポジションを上げてゴールイン。辛くも3日目第8レース「準々決勝戦B」(午後2時16分発走予定)への進出をかなえた。 ロッカーに引き揚げてきた森は顔を歪ませながらヘルメットを脱いだ。「小栗君と当たってしまって…。左すねがかなり痛いです。でも、その後に追っていけたし、フレームは大丈夫だと思います。すねも折れてはいないはずです。せっかく勝負タイヤを履いていったし、予選漏れしたくなかったので、もう必死で追いかけましたよ! あれだけ不利があったのに、タイムは(3秒)43出たし、悪い状態ではないですね。昨日(初日7R)は45だから。もう、どういうこと~(苦笑い)。何なら頭まで行けたら格好良かったのにね」 完全なもらい事故で足を痛め、あやうく予選落ちしてしまうところだった。普通なら相手に文句やクレームを伝えたいシーンだったが、危害を与えてしまった小栗がロッカーを訪れて深々と頭を下げて謝罪すると、さっきまで顔を歪ませて痛みをこらえていたのに、森はいきなりやさしくほほ笑みながら「気にしないで、気にしないで。ダイジョ~ブだあ~」とおどけて、ライバルを気遣った。 あの高橋貢から「えっ? 当たっていたの? 平気なの?」と心配された時も、森は笑顔で「はいっ! ぜ~んぜん大丈夫です。頑丈なんで~」と無事を絶対王者にしっかりと伝えた。 こういった場面での清廉なるスポーツマンシップ精神は、すべての競技者の手本になる姿勢である。森さん、人間力すごすぎです。何より落ち込む小栗さんが浮かばれます。
報知新聞社