駆除に決定打なし、重要病害虫イモゾウムシ 拡大前に発生地で封じ込め! 2008年は根絶に3年半…国と県がサツマイモ、アサガオの栽培自粛訴え 鹿児島市喜入で説明会
サツマイモの重要病害虫「イモゾウムシ」が相次いで見つかった鹿児島市喜入生見町で26日、住民説明会があった。門司植物防疫所や県の職員が発生状況や生態を説明し、確認地点周辺でのサツマイモやアサガオなどの寄主植物栽培の自粛や調査協力を呼びかけた。 【関連】鹿児島市喜入で特殊病害虫「イモゾウムシ」2例目 サツマイモから複数の幼虫見つかる 県、確認や情報提供呼びかけ
同地区では3、4月、家庭菜園で収穫して自宅保管していたサツマイモや、畑に伏せ込んだ芋から成虫や幼虫が計3例見つかった。 説明によると、イモゾウムシは飛ばないものの水や餌がなくても1カ月程度生き延び、餌を求めて200メートルほど移動する。有効な誘引剤がなく、防除には寄主植物を除去するしかない。2008年に指宿市で発生した際は根絶に3年5カ月を要し、サツマイモの栽培禁止や移動制限により地域経済が打撃を受けた。 幼虫や卵の寄生は見た目に分かりにくい。まん延防止へ周辺でのサツマイモ栽培や贈答の自粛のほか、芋は室内で保管し、切れ端や皮などはビニール袋に密閉してごみ出しするよう協力を求めた。 説明会には住民約20人が集まった。家庭菜園をしている宮原正紘さん(81)は「まん延すれば影響は大きい。今年は芋作りを控えたい」と話した。隣接する指宿市の集落でも開催を予定する。
南日本新聞 | 鹿児島