《なぜ批判されるのか》今井絵理子と生稲晃子「大臣政務官の資質」と石破「だらし内閣」の限界
政務官になって300万円年収がアップ
政務官は大臣、副大臣に次ぐポスト。衆院は当選1~2回、参院は当選1回で任命されるのが慣例。若手議員が起用されるのは、なにも特別なことではない。 「表立って何かするワケではないので、『名前だけでも務まるポジション』と言われることも。そういう意味では実力が足りないとしても、知名度のある若手議員を起用するポストとしてはちょうどいい。とはいえ、元官僚だったり、専門職で経験がある若手議員であれば基礎知識もあり、官僚とも対等にやり合えます。不勉強な議員には荷が重いでしょう」(前出の千葉氏、以下「」も) 政務官ともなれば、国会で野党から答弁を求められることもある。その場でとんちんかんな発言すれば、「ほらみたことか」とさらなる批判にさらされる結果となる。スキャンダルなど、もってのほか。つまり政務官の不勉強さと醜聞は石破政権の足を引っ張ることになるのだ。 「とはいえ、今井氏と生稲氏の起用は、石破内閣にとって“うまみ”もある。二人とも故・安倍晋三元首相の後ろ盾が強かった。これまで我が世の春を謳歌していた旧安倍派もいまや党内5番手の勢力に成り下がっている。衰退した旧安倍派に恩を売る、という思惑もあったようです」 さらに千葉氏によると、「家族を養う彼女たちにとってはおいしい話でもある」という。 「参院の議員歳費は年間約2120万円ですが、政務官の場合、年間給与は約2424万円となり、およそ300万円アップすることになります」 300万円といえば、一般企業の大学新卒者の平均年収相当の金額だ。どれだけ批判を受けようとも、背に腹は代えられない。安定した収入を得るためにも、議員を辞めるわけにはいかない事情もあるようだ。
なぜ彼女はここまで批判されるのか
両者のうち、とりわけ批判が集まったのが今井氏だ。2016年に初当選するも、“ハシケン”こと元神戸市議の橋本健氏との手つなぎ不倫スキャンダルを筆頭に、たびたび炎上を繰り返している。 つい最近も、衆院解散と投票を呼び掛けるX(旧Twitter)の投稿や、国会内とおぼしき室内で撮影されたイメージカット風の写真もやり玉に挙がっていたが、ここまで批判されるケースはなかなかないだろう。 つづく後編記事『《研修報告書はどうなった?》大臣政務官・今井絵理子と生稲晃子の批判の根本にある、いまだ抜けない「芸能人気質」』では、批判の背景についてさらに深掘りします。
現代ビジネス編集部