Aマッソが頂点に、「ワタナベお笑いNo.1決定戦2024」で見せた“ラストイヤー”ゆえの覚悟
ワタナベエンターテインメント所属の芸人の中から最も面白い芸人を決める「ABEMA presents ワタナベお笑いNo.1決定戦2024」決勝戦が15日に行われ、Aマッソが頂点に輝いた。 【関連写真】最新エッセイ集を発売したAマッソ加納愛子 今年で9年目を迎えた「ワタナベお笑いNo.1決定戦」。今回からテレビプロデューサーの佐久間宣行氏や加地倫三氏、アンガールズの田中卓志などの豪華審査員はそのままに、バトルシステムが大幅にリニューアル。決勝戦のファーストラウンドは4分ネタでのタイマン制トーナメントで、ファイナルラウンドへ進んだ5組が優勝を争った。 芸歴15年目で、自ら“ラストイヤー”を掲げて臨んでいたAマッソが今大会を制したわけだが、今年に関しては圧勝と言っていいほどの完成度の高さが際立った。 そもそもAマッソと言えば、実力派として知られ今やテレビでも大活躍する女性コンビ。「ワタナベお笑いNo.1決定戦」はワタナベエンターテインメント所属の芸人の登竜門的な大会となっているだけに、すでに“売れている”Aマッソが出場しているのは一見不相応にも思える。 一方で、Aマッソはこれまでのキャリアでタイトルに恵まれてこなかった。過去の同大会や「THE W」では惜しくも優勝を逃し、「M-1グランプリ」や「キングオブコント」でも決勝進出経験はない。時に奇抜なネタを選び、観客を置いていくことも少なくなかっただけに、そもそも「優勝」というものに興味がないのかとすら思わされてきた。 しかし、今大会は違った。ファーストラウンドで見せた彼氏と隠れて交際する友人に逆襲する女性のコントは大会ベストのネタだっただろう。むらきゃみの突飛なキャラクターを最大限に活かしながら、加納との会話で笑わせていく。それならば漫才でも良かったわけだが、最後にはコントである理由を示すように伏線を回収。6年連続決勝進出の実力者、Gパンパンダに6-0と完勝したのは必然だった。 決勝ラウンドで披露したのはホームステイを題材としたコント。目の付け所にあっと言わされる種のネタでありつつ、むらきゃみの雑な雰囲気を醸すキャラクター表現はさすがの一言。熱を帯びた「ホストファミリー」の加納が声を張り上げつつ、取るべき場所でしっかりと笑いをさらった。ナチョス。やジグロポッカといった新鋭の台頭もあったが、Aマッソが観客票を含む5票を獲得。見事に悲願の優勝を成し遂げ、審査員には「今年はAマッソの年」や「今回は頭抜けていた」などと言わしめた。 加納は「一生優勝しないコンビだと思ってたんでビックリ」と漏らしたが、今回の2本から見ても今年の賞レースでの活躍を期待しないわけにはいかない。ついに“無冠”の汚名を返上したAマッソのさらなる飛躍に注目したいところだ。
まっつ