電通 の新データ&テクノロジー部門チーフ、ジェネレーティブAIが作る未来やCookieレスの対応について語る
──新チームについて教えてほしい。
大まかに言うと、このチームは分析、インサイト、プロダクト、プラットフォームを扱うチームで構成されている。基本的に私のグループは、クリエイティブ、メディア、エクスペリエンス、CXMなど、電通で行うすべてのことに奉仕している。
──電通がAI競争において他社と異なる点は?
我々はデータに深く根差しており、何十年にもわたりデータとともに歩んできたという事実がある。だからこそ、我々はジェネレーティブAIの使用法に関して、ほかと異なる視点を得られている。ジェネレーティブAIは我々の知る多くの言語モデルにとって、そして多くのチャットボットにとって素晴らしいものであり、同じことはWebサイトエクスペリエンスの創造にとっても、クリエイティブやキャッチコピーにとっても言える。
──顧客サービスはどのように育んでいく?
ジェネレーティブAIというこの素晴らしいものをどのように採り入れ、リアルタイムでインサイトを創造し、そのインサイトを元に提案を創出し、そこからアクティベートできるオーディエンスをどうしたら創造できるのか? それこそが、2023年の1年間にわたる私のフォーカスだった。データとデータアクセス、そしてインサイトとオーディエンスを真に有効にし、そのためにAIの力を余すところなく活用するということだ。
──Cookie非推奨化にはどう対処していくのか?
我々は顧客に対し、各々のファーストパーティデータの重要性と、それを使って何ができるのかを理解させている。(中略)そして我々の顧客が準備を整え、我々が好む表現を使えば、未来に備える状態になれると感じる。 我々のプロダクト『Merkle GenCX』は、顧客の環境内に構築する。そのうえで、顧客のデータをすべて取り込んで活用する。ファーストパーティデータも、サードパーティデータも、彼らが持ち込みたい外部データも採り入れる。そうすることで、我々の顧客はそこからの洞察を生成し、そうしたインサイトに基づいた提案を得られるようになる。それもきわめて迅速にだ。これは以前にはできなかったことといえる。 また、AIは時代の動きを一変させる存在であり続けているが、本来、我々はAIを随分前から使ってきた。ただいずれにせよ、2023年にジェネレーティブAIが登場したことで、顧客の考え方が大きく変化、あるいは進化したのは間違いない。