フィリピン軍、米国から中距離ミサイルシステム調達の計画…中国は強く反発「座視しない」
【ハノイ=竹内駿平、北京=吉永亜希子】フィリピン軍は、米国から中距離ミサイルシステムを調達する計画があることを明らかにした。台湾周辺や南シナ海で覇権主義的な動きを強める中国への抑止力強化が狙いだが、中国側は強く反発している。 【写真】中国の砂漠地帯で確認された多数のミサイル地下発射施設
米陸軍は今年4月、米比陸軍による合同軍事演習「サラクニブ」に合わせて、中距離ミサイルシステム「タイフォン」をルソン島北部の空港に一時的に配備した。射程は約1600キロ・メートルで、巡航ミサイル「トマホーク」を発射でき、中国本土も射程に入れる。演習が終わってもミサイルシステムは撤去されず、中国が反発を強めていた。
こうした中、比軍は今月23日、近い将来にミサイルシステムを取得すると発表。ギルベルト・テオドロ比国防相は24日の声明で、「配備は正当」とした上で、「特定の国々を対象としたものではなく、安全保障上のリスクへの対処が目的」と強調した。
一方、中国外務省の毛寧(マオニン)副報道局長は26日の記者会見で、ミサイルシステムについて「攻撃用の兵器であり、地域の安全にとって脅威となる」と述べ、「中国は自国の安全と利益が損なわれたり脅かされたりするのを座視していない」と反発した。