観客を呼び込むアートは「夢」を見せ、人間の「進歩」を問いかける 万博未来考 第4部(4)
■近未来の社会体感
自分の姿を映し出す特殊な膜で作られた鏡に来場者が話しかけると、専用アプリにデジタル化された自分のコピーが生成される。「自分」と会話したり、相談したり-。メディアアーティストの落合陽一さんが手掛けるパビリオンのデジタルアートは近未来の社会を体感する機会になる。
加速度を増して進化する人工知能(AI)などに囲まれた環境に生きる私たち。落合さんは昨年、産経新聞に寄せた文章の中で、作品の意図について「デジタルヒューマン(人間のデジタル化)をより社会インフラとして強靱化する」と説明した。デジタルアートは見る者に「人類の進歩」の在り方をも問いかけるものになる。(正木利和)