パーティー券での裏金作りを6年前に指摘!特捜検事と国会議員の両方を経験した弁護士が語る「政治のカネにもっと切り込む」方法とは
実は特捜部時代、政策活動費に切り込もうとしていた
東京地検特捜部時代、政治家の汚職を主に追及する「特殊一班」に所属していた若狭弁護士は、当時から政策活動費に切り込みたいと思っていたそうです。 例えば、自民党の幹事長だった二階俊博氏に4年で37億円超の政策活動費が渡され、何にどう使われたのか分からなくなっていることをウェブメディアの「インファクト」が2021年に報じています。こうしたケースをどう見るべきか。 今回の会見で若狭弁護士は、特捜部にいた2004年当時の法務省の見解を明らかにしました。「自民党から幹事長に政策活動費が渡される。さらにそれを幹事長が選挙の応援などで別の党所属議員に渡すとどうなるか」を想定して検討したものです。それを簡単にまとめると、こういうことのようです。 ・自民党から幹事長への政策活動費の交付には「幹事長個人」への支出と、「幹事長という党の機関」への支出の2つのケースがある ・「幹事長個人」への支出だと、幹事長が議員に渡すことは個人献金禁止に違反する ・議員個人ではなく資金管理団体に支出した場合でも、収支報告書への不記載が疑われることになる しかし、ある「壁」が捜査を阻んだということです。
「自民党を支える総務省の解釈」とは
それが総務省の解釈です。若狭弁護士はこのように解説します。 ・幹事長など党の役職員から所属議員に寄付することは、党からの寄付にあたり、個人献金禁止には引っかからない ・党から幹事長への交付は個人に対する支出。それでも幹事長が議員に交付した場合は、党からの交付にあたる これは自民党も同じ解釈だということです。若狭弁護士は「場面によって個人にしたり、党内での資金移動としたり、都合よくいいとこどり。自民の考え方は総務省が支えている」と語っていました。 こうした当時の検討も踏まえ、結論として政策活動費の透明化には以下のことが必要だとしています。 ・19条の3を適用して政務活動費を資金管理団体に全て入れて透明化を ・それができないなら、支出先が幹事長個人なのか、党の機関としての幹事長なのかを国会で議論をすべき ・それでも「その時々で違う」と主張するなら、党の収支報告書に幹事長個人への支出と記載されているのは「虚偽記載ではないのか」と指摘をすべき