ホンダ、F1参戦60周年のメモリアルイヤーに「新たな歴史刻めるように全力」過激なレッドブルRB20にはさすがに驚き?
ホンダは、週末にF1の2024年シーズン開幕を控え取材会を実施。ホンダ・レーシング(HRC)の渡辺康治社長は、ホンダにとってもレッドブルにとってもメモリアルなシーズンに向けて、全力を尽くすと誓った。 【ギャラリー】メカから走行写真、ドライバーポートレートまで! F1バーレーンテストの写真を一挙お届け ホンダが1964年にRA271で初めてF1への挑戦を開始してから60年、F1の新たなシーズンが始まろうとしている。 ホンダはHRCを通じて、テクニカルパートナーのレッドブル・レーシングとビザ・キャッシュアップRBの2チームにパワーユニット(PU)を供給するという形で、F1との関わりを続けている。 「1963年に初の市販車を発売したばかりのホンダは、初のF1マシンRA271を製作し、世界一を目指して挑戦を始めました。また、現在のパートナーであるレッドブルも今年がチーム創立20周年の記念の年です」 そう渡辺社長は語った。 「HRCは引き続きレッドブルパワートレインズのテクニカルパートナーとして、ふたつのチームにパワーユニット『HONDA RBPTH002』供給を行ないます」 「どちらのチームのドライバーもマシンも高い競争力があるというのは確かですが、今年はレース数が2戦増えて年間24戦のタフなシーズンになりますし、当然フェラーリやメルセデスなどライバル勢も信頼性、そしてパフォーマンスを上げてくると思いますので、決して楽な戦いはできないという風に見ています」 「HRCとしても2022年からのPU開発凍結以降、継続的に耐久性と信頼性を上げる取り組みを行なっていまして、ポテンシャルを最大限に発揮してサーキットでのパフォーマンスにつなげています。今シーズンはレッドブル、そしてホンダの双方にとって記念すべき年ですので、ドライバーズタイトルの4連覇、コンストラクターズタイトルの3連覇を達成して、新たな歴史を刻めるようにチーム一丸となって全力を尽くしてまいります」 「ちょうど1週間前に開幕戦用のPUをSakuraから送り出したところなので、開幕戦はもちろん4月に開催される鈴鹿での日本GPでは4台が最高の成績が収められるよう、HRCとして全力を尽くしてまいります」 「また、参戦4年目となります日本人ドライバーである角田裕毅選手にはこれまでの自己最高の4位を超えて、ぜひ表彰台を目指して頑張ってほしいという風に思っています」 レッドブルの新車RB20は、その変貌ぶりから大きな注目を集めている。PUの開発が凍結されてから3年目にしての大変更であり、冷却系や吸気系にも大きく手が入っている。その分、PUに対する要求も厳しいだろう。 HRCとしては、レギュレーションで厳しく開発が規制されている中でも、その要求に対応してきたようだ。 「プレシーズンテストでは、レッドブルのチャレンジングな姿勢が非常に見えたんじゃないかと思います。レギュレーションで変更できる範囲が非常に限られていますので、それほど大きな変化はできないんですが、あの進化にミートできるように対応しています」 そう渡辺社長が話すと、F1プロジェクトLPL(総責任者)の角田哲史氏は、RB20の変化に驚きつつも、レッドブルとの活動の成果がそこに現れていると語った。 「あそこまで昨年と違うコンセプトのクルマを作っているということ自体は、我々も最近まで知りませんでした」 「ただし、お互いに今のPUをどういう風に使っていけるのかっていうのは理解した上で、その信頼性に伴い使える枠を広げていくっていう活動は一緒に共通してやっておりますので、その成果があそこに少し現れてるんじゃないかという風に考えています。今シーズン期待しています」 すでにライバルチームからは、レッドブルとマックス・フェルスタッペンのチャンピオン獲得で決まりだという声も出ているが、始まる前から勝負を諦めるわけもない。言葉とは裏腹に、闘争心を秘めているはずだ。 レッドブルとホンダの独走が続くのか、ライバルチームがそれを止めるのか。角田裕毅がどんな活躍を見せるのか、楽しみなシーズンが幕を開けようとしている。
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