「稽古は週に3日で、相撲部屋の体を成していない」「弟子の悪質アルハラも」 二所ノ関部屋で何が起きているのか【スクープその後】
「稽古は週に3日で、相撲部屋の体を成していない」
新設されたばかりの二所ノ関部屋は1800坪にも及ぶ広大な敷地を誇り、その中には親方の自宅と弟子たちが暮らす部屋とが別々に建てられている。 「二所ノ関親方と弟子たちは“同じ敷地内”で暮らしていますが“同じ屋根の下”で生活をしているわけではありません。実際のところ親方は、週に3日しかない稽古と日々の昼食の時間以外、ほぼ弟子と接していないのです。その上、女将も部屋に顔を出す機会が少なく、22年の結婚当初から指摘されていたように“謎の存在”のまま。二所ノ関部屋は相撲部屋の体を成していないと思います」(同) 二所ノ関親方は20年から21年にかけて早稲田大学大学院スポーツ科学研究科の修士課程で学んだ。 その成果を実践するべく例えば、1週間の中で稽古を3日、筋力トレーニングを2日行い、休みを2日取るなど、合理的かつ先進的な部屋の運営を試みてきたとされる。しかし、今の惨状を聞くかぎりそれは“机上の空論”だといえるのではなかろうか。 では、こうした不祥事や疑惑について二所ノ関親方は何と答えるか。4月19日、携帯電話を鳴らし、大の里による飲酒強要について話を聞こうとしたが、「答えられない」とガチャ切り。以降は記者の電話に出なくなってしまった。
「お仲間である二所ノ関親方へのえこひいきにへきえき」
一方の協会にも同19日、書面で質問を送った。すると、回答期限を1時間半ほど過ぎた同22日の18時半ごろ、大慌てで〈報道関係各位〉といった宛名を冠して、本誌(「週刊新潮」)を含む各メディアにおよそ以下の内容の書面を送り付けてきたのだ。 「大の里と未成年の幕下以下力士が昨年9月、二所ノ関部屋内で共に飲酒をしていました。師匠が報告を受けた際、二人に対して厳しく指導していましたが、このたび協会に報告がありました。大の里と師匠である二所ノ関に対し、コンプライアンス部長から厳重注意を行っております」 さすがの協会も全くのうそはつけず、大の里と総勢山が飲酒をしていた事実は認めたが、いじめや強要についてはスルー。二人が各々の意思で酒を飲んだかのような文面で、二所ノ関部屋における不祥事の真相について隠蔽を手助けしたのだ。 また、二所ノ関親方が「勧進大相撲」の欠席を届け出た際の理由については回答がなく、完全に隠蔽を図ろうとしているのだった。 「今回、協会にとって“お仲間”である二所ノ関親方へのえこひいきぶりに、改めてへきえきしました。今年、協会にとって“宿敵”の元横綱白鵬こと宮城野親方(39)が受けた厳罰という仕打ちと比較すると、天と地ほどの差があるからです。宮城野親方は弟子の暴力行為を止められず、監督責任や報告義務を怠ったとして2階級降格の重い処分を受け、現在、率いる宮城野部屋は当面閉鎖となっています」(前出の大相撲担当記者) さて、協会に守られ大甘裁定を受けた二所ノ関親方はこの先、どのように出世を果たしていくのか――。人気の裏で実態は残念な親方ぶりが際立つ“次世代の理事長”。大相撲の未来をこの人物に託してよいのだろうか。 前編では、親方の「勧進大相撲」欠席の裏側について詳報している。