子育てを難しくする「強い親でいること」への呪縛 がんばるのはもうやめて、もっと弱音を吐こう
特別支援学級の対象となる子どももそうでない子どもも、すべての子どもがともに学べる学校、大阪市立大空小学校の初代校長として教育に力を注いできた木村泰子先生。 そんな木村先生が自身の子育てや教育現場での経験をもとに、子育てや人生に悩む人へのメッセージを一冊の本に詰め込みました。「自分を支える何か」が欲しいすべての人に向けたメッセージが詰まった本『お母さんを支える言葉』より一部抜粋し、3回に渡って掲載します。
子育て現役世代の方に読んでほしい、心のお守りです。 ■強さは捨てて、自分の考えを持とう 自分の子どもを守れるのは、親だけです。 お母さん自身が人のせいにしたり、SNSの情報に惑わされたり、噂に振り回されたりするんじゃなくて、自分の考えで、自分の子どもを守る。 たとえその行動が周りにどう思われようと、自分の子どものことは自分が一番よくわかっているのだから、それを信じて、母親は自分の考えで行動するのがすごく大事なのではないかと思います。
今は少し落ち着きを取り戻していますが、コロナ禍で非常事態が続いたとき、学校現場も家庭も揺れました。 子どもを学校に行かせていいのか。 持病のある子にとってはどれくらいのリスクがあるのか。 先生や教育委員会に尋ねたところで、全人類にとって初めての危機だったわけですから、誰もわかりません。そうなったら、親の判断で、子どもの安全を考えるほかありません。 ■考えるのも、行動するのも自分 いっぱいアンテナを張って、周りのことを知るのは大事。でも、たくさん情報収集をした後で、決めるのは自分です。考えるのも自分、行動するのも自分。自分で考えて行動したことでうまくいかなくても、人間って人のせいにはしないでしょう?
「自分で考えて、行動する」っていうと、「強くなること」だと思う人もいます。 でもね、子どもを守るのに、強さはいらないんですよ。強くなろうと思うと、「あの人みたいになろう!」とか「こうしなければいけない!」みたいな考えが頭をもたげてきます。 自分以外のものを自分の中にはめこんで行動しようとしてしまうから、無理が生じてしまうんです。そうすると、「あの人が、こう言ったから」とか、「ここでこう思ったから、私は強くならざるをえなかった」とか、人のせいにするものが周りにいっぱい出てきてしまう。