ノリス、F1ラスベガスGPで大クラッシュも原因はコース路面のみにあらず「確かに大きなデコボコがあったけど……」
マクラーレンのランド・ノリスは、ラスベガスGPでの大クラッシュの原因はコースだけではないと語った。 ハイライト動画|2023年F1第22戦ラスベガスGP 決勝 市街地では初の開催となったラスベガスGP。ノリスは決勝レース3周目のターン11でマシンコントロールを失いクラッシュを喫し、チーム代表のアンドレア・ステラはレース後、コース上のバンプを指摘して来季までに路面を平らにする必要があると示唆した。 ただクラッシュ後初めてメディアに語ったノリスは、クラッシュは様々な条件に起因するモノであり路面のバンプはそのうちのひとつに過ぎないと指摘した。 クラッシュの原因について訊かれたノリスは「色々なことが重なっている」と答えて、次のように続けた。 「明らかに、あそこには大きなバンプがあった。そしてタイヤが冷えていて(タイヤ内圧が低く)、車高が通常より低かった」 「多くのマシンにとって、こういう状況を体験するのは初めてのことで、ダウンフォースは通常よりも小さくなる。その他にもいくつかの小さな条件が重なって、このバンプがいつもより大きな影響を与えることになった」 「いつもより悪い角度で乗ってしまったんだと思う。バンプがあるのは分かっていたんだ」 「でもなぜか、あの1周だけその影響が以前よりも大きくなってしまった。ちょっと不運だったね」 また、ラスベガス市街地サーキットに変更を加えるべきかと尋ねられたノリスはその案を否定した。 「さっきも言った通り、色々なことが重なったんだ」とノリスは言う。 「そういうことがまた起きて、またこういうことになるのは非常に稀だと思う。多分、僕が全く同じようにドライブしても、また同じことが起こるという確証はない」 「もし僕が30cm右や左に寄っていたら、もしかしたら違っていたかもしれない。前のクルマが1台少なかったら違っていただろうし、バッテリー消費をもう少し早くに止めていたら、違っていたかもしれない。色々な状況が考えられるよ」 「コースは問題ないと思う。グリップが高くなっても、これまで走った中で最高のコースとは言えない。路面のせいで、全てのドライバーが望んでいたモノよりも状況がずっと悪くなってしまったんだと思う」 またノリスはクラッシュ後、地元の病院で検査を受けることとなったものの、気分は問題なかったと振り返った。 「正直、体調が決して悪くはなかった」とノリスは言う。 「ただ、最近の新常識みたいなもので、彼らは沢山の検査をしたがった。でも僕は問題なかったよ」 「衝撃を受けた時、ラジオで聞こえたモノには吐息が影響していたんだ。不意を突かれたから、息を吸ったり吐いたりするタイミングを間違えてしまったよ」 「あっという間の出来事だったし、それでも衝撃はあった。でも僕は問題なかったし、何も苦しくはなかった。ただ、ベガスのレースで早々にリタイアしてしまったことが悔しかった。ただ残念だったけど、僕は大丈夫だよ」 「それ以降、数日間は安静にリラックスするようにと言われてきた。でもマシンから降りたときから僕は問題なかったけど、最初はあまりの不意打ちに何が起こったのか分からなくて少し震えていた。でもそれからは問題なかったよ」 そしてノリスは、チームメイトのオスカー・ピアストリが発揮したペースを見て、せっかくのチャンスを失ったということに気がついたという。 決勝レースでピアストリは、18番手スタートながらも3番手まで順位を上げたが、ピットストップ義務消化のためにポジションを下げて10位フィニッシュとなった。 リタイアによってフラストレーションが溜まったか、と訊かれたノリスは次のように答えた。 「ああ、もちろん。病院からできる限り観ようとしたし、ヘリで帰る時も全てを観ようとしたよ」 「だから残念だ。楽しそうなレースだったね。ターン1はかなりのカオスだった。不注意なドライバーも多かったけど、それ以外は楽しいレースに見えた。オスカーのペースも良かったし、それを逃したのは残念だ」 「でも、クラッシュは時々起こるモノだ。この5年間では、クラッシュを回避するという点で僕はトップクラスだったと思う。僕の強みのひとつは、基本的にトラブルに巻き込まれないことだと思うからね」 「不注意でミスをした訳でもないし、ロックして誰かにぶつかった訳でもない。ただの不運だよ。だから残念だけど、僕としては2021年のスパ以来のクラッシュだったよ」
Adam Cooper