自分らしく前向きに 認知症本人ワーキンググループが10周年
認知症当事者の団体「認知症本人ワーキンググループ」(JDWG)の設立10周年記念イベントが10月23日、東京都杉並区の認知症介護研究・研修東京センターとオンラインで開かれ、約450人が参加した。 JDWGは認知症になっても希望と尊厳をもって暮らせる社会を目指し、自らの言葉で思いを社会に発信している。自分らしく前向きに生きる姿を示すことで、認知症を自分事として捉える考えが少しずつ広まってきた。国のさまざまな会議で発言し、1月に施行された認知症基本法の議論にも参画した。 認知症当事者4人による座談会で藤田和子JDWG代表理事(63)は「認知症になって本人として声を出すことが役割だと思って必死だった。信頼できる仲間と活動し、出会いやつながりができ、取り組みが広がっていった。自分が自分らしく生きていると自然と笑顔になれる」と話した。 39歳で若年性認知症と診断された丹野智文さん(50)は「地域に仲間をつくることが大切。家族に言えない困り事を話すことができる。認知症になってから仲間をつくるのは難しいので、今を大切に生きて仲間をたくさんつくってほしい」と語った。 同日は10周年の節目に作成したJDWGのロゴマークも披露された。一人ひとりの声を寄せ合い、翼に乗せて世界に届け、自由で暮らしやすい社会をともに創ろうという思いが込められている。 イベントの最後は参加者で「常識の殻を破り、チャレンジを続けよう。希望のリレーをともに」と題するJDWGアピール2024を宣言した。