ノリス、トラックリミット違反の運用に疑問符「姿勢を変えなければ、レースが退屈になってしまう」
マクラーレンのランド・ノリスは、ドライバーがポジションを争う中でミスを犯しコースオフした場合もトラックリミット違反で罰せられるようでは、レースが退屈になってしまうと警告した。 【動画】フェルスタッペンとノリス、優勝争った2台がまさかの接触|F1オーストリアGP決勝 イギリスGPの1週間前に行なわれたオーストリアGPでは、優勝を争っていたノリスとマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が接触し大きく後退するという劇的な結末となった。しかしその前、ノリスがフェルスタッペンのオーバーテイクに失敗したことでコースオフし、トラックリミット違反により5秒のタイム加算ペナルティを受けていたことは半ば忘れられかけている。 レース序盤に3回のトラックリミット違反を犯し、ペナルティにリーチがかかっていたノリスは、ターン3でタイヤをロックさせてコースオフ。これによりペナルティを受けたのだった。 これについてノリスは、ドライバーたちがオーバーテイクを試みるのを止めないためには、”常識的な判断”が必要だと考えている。 「正直言って、かなり馬鹿げている」 そうノリスはトラックリミットを巡る状況について語った。 「オーバーテイクをしようとしてロックし、コースアウトして、ソーセージの縁石を避けようとしたんだ」 「それで僕はすぐにマックスにポジションを返した。それで1.5秒くらいロスしたし明らかにペナルティ(対象)じゃない。僕はそれをしてロスしたんだからね」 「こういうことは、人々がレースをするのを避けることに繋がる。オーバーテイクを試みずにつまらないレースをしてほしいのなら、こういうルールがあってもいいかもね」 今週末のイギリスGPでは、チームマネージャーやドライバーのミーティングなど、様々な場面でトラックリミットについて議論される事になりそうだが、ノリスはルールが変更されるのに十分なコンセンサスが得られるはずだと考えている。 「それはすでに議論されていることだと思う。コースを外れてアドバンテージを得るのと、愚かなミスをして完璧な判断ができなかったからコースオフをするのは違うからね」 「それで罰を受けるというのは、特にレースで、しかもタイムロスをしているのなら筋が通らないと思う。だから早く修正されることを願う」 ノリスと同じような意見を持っているのが、RBの角田裕毅だ。彼はスペインGPでトラックリミット違反のペナルティを受けたが、そのときは非常に腹立たしかったという。 「バルセロナではターン1で少しワイドになってしまいました。他のマシンとバトルしていて、それを強いられたんです。もちろん、コースに復帰するためにボラードの横を通って正しい道(エスケープロード)を走ったし、ルールにも従いました」 「つまり、何もゲインはしていなかったんです。僕はそのマシンにパスさせ、その後ろでコースに復帰したんです。でも彼らはそれをトラックリミット違反にカウントしたんです」 「なぜそれをコースリミットにするのか理解できません。あのルールは馬鹿げていると思います」 オーストリアGPでは、ノリスのチームメイトであるオスカー・ピアストリもペナルティについて違和感を持っていた。 彼はターン6でトラックリミット違反があったとみなされ、予選のベストタイムが抹消。3番手から7番手までポジションを落としてしまった。 いまだにこの件に不満を持っているピアストリは、今後に向けて対処すべき問題だと訴えている。 「もしマシンがコースオフするスペースがあるのなら、それを公正な方法で監視することだ」 「僕のラップが削除された際の証拠は、そのラップだけ僕を監視していたヘリコプターによるものだった。ヘリコプターが見ていなかった他の人たちもコースオフしていた可能性があるのいうのに、ちょっと酷いね。とても微妙なラインだと思う」 「解決策についてはいくらか議論が必要だが、それを取り除くもっとも簡単な方法は、白線を20cm広くして、それをまったく気にしなくていいようにすることだ」
Jonathan Noble