スタンフォード大・佐々木麟太郎は「現段階でもドラフト指名は確実」 集結メジャースカウトの前で2試合連続安打&打点/MLBドラフトリーグ
【フレデリック(米メリーランド州)12日(日本時間13日)=山田結軌】岩手・花巻東高で歴代最多とされる高校通算140本塁打を放ち、世界屈指の名門校、米スタンフォード大に進学した佐々木麟太郎内野手(19)がMLBドラフトリーグのトレントン・サンダーの一員としてフレデリック・キーズ戦に「4番・一塁」でスタメン出場。4打数1安打2打点で2試合連続安打&打点をマークした。チームは2-6で敗れた。メジャー球団のスカウトは潜在能力を高く評価した。 やや差し込まれたが、フルスイングで運んだ。一回無死満塁。佐々木は真ん中高めにきた89・8マイル(144・5キロ)のツーシームを右中間へ打ち上げた。飛距離は111メートルと十分だったが、6・4メートルの高いフェンスを直撃する先制の2点適時打。試合後、取材対応はなかったが、デビュー2戦目で早くもメジャーのスカウトから注目を集めている。 「きょうの4打席だけで判断するのは難しいけれど、とても印象的な選手に間違いない。今後が楽しみだね」 ナ・リーグ東海岸の強豪チームのスカウトは、佐々木の打席になるとバックネット裏の席から三塁側ベンチ上に移動。スマートフォンを構え、スイングの動画を撮影した。レッズやフィリーズ、エンゼルスなど約15人のスカウトが視察に訪れていた。 今年9月にスタンフォード大に入学する佐々木は、2026年にMLBドラフトの指名資格を得る(NPBドラフトの指名資格は27年秋に取得)。別のナ・リーグ東海岸球団のスカウトは「現段階でもドラフト指名は確実。ただ1-2巡目は難しい。3-5巡目が妥当だろう。それでも打球にいい角度をつけて飛距離を出せるのが彼の魅力」と長距離打者の潜在能力を評価した。 一塁だけではなく、三塁や左翼、右翼も平均点で守れるレベルになれば、ドラフト上位指名の可能性が広がる。日本プロ野球のスカウトからは「速球に弱い」との指摘もあるが、ア・リーグ西地区のスカウトは「数多く試合に出て、場数を踏めば速球への対応はできるだろう」と期待する。2年後に向け「SASAKI」の名前は入学前から、メジャー球団に認知されている。 ■MLBドラフトリーグ
2021年に創設され、今季は6チームが6~9月に各80試合を戦う。前期35試合は7月のドラフトの対象選手を含むアマチュア選手がプレー。後期45試合はアマ資格を失ったプロ選手が参加し、報酬が支給される。監督、コーチはMLB経験者が務め、試合はマイナーの球場で開催。創設から3年間のドラフトで計133人が指名され、70人がドラフト外で入団。これまで8人がMLBに昇格した。世界各地から有望選手を受け入れる場としても機能し、ウガンダ、チェコ、オランダ、パキスタンなどからも選手が集まる。