一串3000円の牛串は安い? 高い? 歴史的円安で“高級外食”が続々 【WBS】
歴史的な円安水準が続いています。円相場は、13日の外国為替市場で1ドル=151円92銭をつけ、年初来の安値を更新しました。こうした中、円安を追い風に、飲食店ではインバウンド(訪日外国人客)を対象にしたメニューの”高級化”戦略が加速しています。現場を取材しました。 築地の場外市場に新たに登場した「築地 牛武」。この店を手がけるのは、外食大手のワタミです。唐揚げ店や焼き肉店などの出店で「脱居酒屋」を加速させてきたワタミが、次なる一手として選んだ新業態。それは和牛串のテイクアウト専門店です。 使っているのは、鹿児島県から直送される薩摩牛。A5ランクの中でも最高級品質だという肉を、塩とわさびでいただきます。 「本当に柔らかくて、噛んだときに筋のようなものを一切感じない。ステーキをそのまま串に刺した感じです」(田中瞳キャスター) 特徴は肉の品質だけではありません。この牛串、なんと1本3000円。牛串のほかにもハンバーガーは2000円、ステーキは4500円など、メニューが並びます。 かなり強気な価格帯ですが、ワタミの渡邉美樹会長兼社長は「外国人観光客にとっては円が安いことで3000円も負担ではない。築地はもう8割ぐらいが外国人の方。インバウンド向けにしっかり仕掛けることで強烈な円安、強烈なインフレが来ても会社を潰さないようにしたいという思いから作った店」と話します。 訪日客の受け止めはどうでしょうか? 「(値段はちょうどいいかと聞かれ)そう思う」(イギリスからの観光客) 「3000円? これはお買い得」「アメリカではこのサイズの和牛だと100ドル(約1万5000円)はする。とても高い。だからこれはとてもお買い得」(アメリカからの観光客) 14日に試験的にオープンした際には、3000円の牛串が、およそ3時間で100本ほど売れたといい、目標に掲げる月2000万円の売り上げは難しくないとにらんでいます。 「私は以前から言っているが、円安はどんどん進む。こんなものではない。高くてもいいからとにかくいいものを提案することが大事」(渡邉会長兼社長)