広島市の強盗殺人未遂・放火事件、犯行は失敗した投資の穴埋め目的か 元大手証券マンの容疑者、数千万円の損失明かす
広島市西区の民家で7月、高齢夫婦に薬物を服用させて建物に放火し、現金約2600万円を奪ったなどとして、神奈川県の無職の男(29)が強盗殺人未遂と現住建造物等放火容疑で逮捕された事件で、容疑者が夫婦の自宅から持ち出したとされる現金について「別の顧客から預かった投資金で損失を出し、その穴埋めに充てた」などと話していることが31日、関係者への取材で分かった。 【画像】元大手証券会社勤務の容疑者を捜査中の広島県警本部 関係者によると、容疑者は当時、大手証券会社の社員で、夫婦は顧客だった。一方、別の顧客数人に業務外の投資話を持ちかけて預かった現金を運用し、損失が発生。損失は数千万円程度に上り、資金繰りに困っていたという。 容疑者が火災当日、夫婦方を訪れ、3人で飲食した際に睡眠作用のある薬物を混入した疑いがあることも捜査関係者への取材で判明。広島県警によると、夫婦は火災に気付いて屋外に避難した。体内からは薬物の成分が検出された。県警は、容疑者が夫婦の資産状況を把握した上で犯行を計画した可能性があるとみている。 容疑者は7月28日午後5時35分ごろから7時45分ごろまでの間、西区の男性(86)方で、男性とその妻の会社役員女性(84)に睡眠作用のある薬物を服用させて意識もうろうとさせた上、男性の現金約2600万円が入ったボストンバッグを奪った疑いが持たれている。 逮捕後に接見した弁護人によると、容疑者は現金を盗んだとする一方、強盗殺人未遂と放火については否認しているという。
中国新聞社