世界ランク272位のダークホース 13年ぶりのメジャー初出場Vなるか
◇メジャー最終戦◇全英オープン 3日目(20日)◇ロイヤルトゥルーンGC(スコットランド)◇7385 yd(パー71) ツアー最高峰のタイトル争いに、メジャー初出場の世界ランキング272位が食らいついた。2位から出たダニエル・ブラウン(イングランド)が「71」で通算3アンダーとし、スタート前と同じ位置をキープ。1打差で単独首位に立つ米ツアー8勝のビリー・ホーシェル、2位で並ぶ世界ランキング3位のザンダー・シャウフェレら、格上たちとの優勝争いに向かう。 ブラウンはプロ8年目の29歳。2021年までは各国の小規模サーキットを転戦し、22年の欧州ツアー予選会で3位に入り出場権を獲得した。ルーキーシーズンの23年「ISPS Handa ワールド招待」で初優勝を飾ったが、今季はひざの故障もありトップ10は2回のみ。直近の8試合では1回しか週末に進めていない。 【画像】ムービングデーに後退した松山英樹
低迷していた中で、今週の出場権はウェストランカシャーGCで行われた予選会で川村昌弘と並ぶ3位に入って獲得した。最後の36ホール目で6mのバーディパットを沈め、プレーオフを回避して初のメジャー出場権をつかんだ。 予選ラウンドを2打差の2位で通過し、強い雨が降り始めた夕方に最終組からティオフ。同組でプレーした首位のシェーン・ローリー(アイルランド)は、2019年大会で優勝した姿をテレビで観戦していたという。 「ローリーの気概と決意。それを目の当たりにして、彼と一対一で戦えることを願っている」との気持ちで臨み、ローリーがスコアを崩す展開で単独首位に立って最終18番へ。1打目がポットバンカーに入る寸前で止まり、体をバンカー内に入れてアイアンを短く持った2打目はフェアウェイに出すだけに。ダブルボギーでスコアを落としたが、5バーディ、5ボギー1ダブルボギーの「73」にとどめて優勝争いに踏みとどまった。
「最後の 2 ホール(17番はボギー)が少し残念だ。そこまでとてもいいプレーができていたから。でも、全体的には満足している」 メジャー初出場での制覇となれば、2011年「全米プロ」優勝のキーガン・ブラッドリー以来となる。「もちろん普通の週ではないが、メンタル的には普段の試合と同じように過ごせた気がする。今日の自分の対応の仕方からすると、明日はいい結果が出せると思う」。初めての大舞台で、13年ぶりの快挙に挑む。(スコットランド・トゥルーン/谷口愛純)