【日本ハム】「谷口きゅんBALLPARK発」期待せずにはいられない野村佑希選手
秋のエスコンキャンプも残り2日となりました。週末は1万5000人もの来場を記録し、シーズン2位と躍進した選手の頑張りがこの結果につながっていると思います。選手冥利(みょうり)に尽きる、連日の盛況ぶりです。 初日は中継の解説も務めました。期待せずにいられないのが野村佑希選手(24)です。6年目の今季は56試合で2本塁打。チームがAクラス入り、CSに出場する一方で人知れず悔しい思いをしたはずです。ファームでは50試合で打率3割4分9厘、14発。「2軍ではもうやることがない」状況でも1軍では中々、結果が出ない。僕も現役時代に通ったことのある道なので気持ちは痛いほど分かります。歯がゆさや悔しさを余計に感じたと思います。 ルーキー時代から見てきたので、ここからはいつもどおり「J」(ミドルネームがジェームス)と呼びます。性格は寡黙なタイプで、2軍の鎌ケ谷にいた頃から2人で食事に行ったり、今も本当にかわいい後輩です。Jは高卒3年目で99試合に出場して7本塁打。その実績があるからこそ、周囲からの期待も大きいんです。 万波、田宮、水野、水谷、金村、矢沢選手ら2000年度生まれの「ミレニアム世代」の中で一番最初にプロでブレイクしたのがJなんですよね。「何くそ」と同学年に追いつけ追い越せで23年にレギュラーをつかんだのが万波選手であり、今年の田宮選手。全員がまだ24歳と“成長期”です。だからこそ野村選手は「こんなもんじゃない」と信じています。 花咲徳栄(埼玉)時代は夏の甲子園で優勝。入団してきた時も「高校生でこれは…」と潜在能力の高さに驚かされました。後輩の中で飛距離がズバ抜けていたのが、野村と万波の同期コンビ。今年のキャンプを見ていてもJの打撃はすさまじいものがあります。長打もあれば、つなぎの打撃もできる。スタメンの並びに「野村佑希」の名があるだけで本来相手は脅威のはずです。今年12発を放った郡司選手も20~30発打てる能力を秘めていますし、レギュラー争いは激しさを増すばかりです。今年味わった悔しさは、来年の飛躍にきっと生きます。頑張れ、J!(谷口 雄也)
報知新聞社