前日計量に臨んだ井上（左）とドヘニー（右）。両者とも一発パスし、明日の本番を迎える。写真：田中研治（THE DIGEST写真部）

　すべての準備は整った。 　９月２日、神奈川県・横浜市内でプロボクシングの世界スーパーバンタム級４団体統一戦の前日計量が実施され、絶体王者・井上尚弥と挑戦者テレンス・ジョン（TJ）・ドヘニー（アイルランド）が出席。両者とも一発パスし、３日に東京・有明アリーナで行なわれるタイトルマッチに向け、仕上がりの良さをアピールした。 【画像】決戦間近！井上尚弥とTJドヘニーの事前記者会見の様子をプレーバック！ 　まさに鋼の肉体だ。井上は筋骨隆々のボディを披露し、55.3kgでクリア。引き締まった表情で、万全のコンディションだと誇示してみせた。一方、元IBF同級王者であるドヘニーは55.1キロの200gアンダーで問題なし。同階級リミット（55.3kg）内の測定結果となり、世界が注目する統一戦に向けて、あとは本番を残すのみだ。両者は記念撮影を終えると初のフェイスオフ。約18秒ほど睨み合い、見えない火花をバチバチに。そのあと両者は笑顔で固い握手をかわし、ドヘニーは井上の肩を軽く叩き互いの健闘を誓い合った。 　 　８月31日の記者会見で井上は「自分の中で納得する試合をしたい」と静かに闘志を燃やしていた。ハードパンチャーであるドヘニーの印象は「体も見るからにデカいですし、当日も僕以上にリカバリーをしてくる。簡単な試合になるとは思っていない」と警戒を示す。試合のプランは状況に応じながら、「KOだけじゃなく、判定決着でもボクシングの魅力を伝えられる。KOでも判定でも、どちらでも準備をしている」と明かし、判定決着も見据えて勝利だけを狙うと答えている。 　プロ戦績は井上が27戦27勝（24KO）、ドヘニーが30戦26勝（20KO）４敗。なお、試合はNTTドコモの映像配信サービス『Lemino』で独占無料生配信する。 取材・文●湯川泰佑輝（THE DIGEST編集部）