5000人に1人の「小耳症」 片耳が聴こえるため障害者にはあたらず 医師になる夢を抱く小4女子児童 【福岡発】
障害者手帳交付 制度の改善へ向け
一般的に小耳症は、桃加さんのように片耳だけ難聴を患っている人が多いため、障害者手帳を受け取ることが困難で、保護者は補助金を求め個人でそれぞれの自治体に掛け合っているのが現状だ。福岡県内の自治体の場合、補助金が出たケースでは3~8万円と金額に開きがある。 しかし桃加さんのケースは、あくまで「特例」措置という扱い。補聴器は5年おきの買い換えが必要だが、今後も認められるかどうかは不透明な状況だ。絵梨果さんは「こういうことをしないといけないのは時間もかかるし体力も使う。片耳だけ難聴の人にも制度としてあるといい」と制度の改善を強く望んでいる。 一方、親子にとって明るい希望もある。この日、訪れたのは北海道の病院。桃加さんは新たに耳を作る手術を受けることにしたのだ。
「耳の形さえあればそれで充分」
札幌医科大学付属病院の四ッ柳高敏医師によると、肋骨にある肋軟骨から耳の形を作り、皮膚の下に移植後、半年以上経過して耳の形を整える手術だという。 「片方しっかり聞こえている場合は聴力も欲しいけど、それより耳が欲しいという気持ちが大きい方が多い気がします」と患者の偽らざる気持ちを四ッ柳医師は代弁した。 「なんかコソコソ話で、『あいつの耳変だぞ』と言われたりする。耳の形さえあったらそれで充分」と手術で聴力を治すことは難しいが、桃加さんは手術に期待を寄せている。今後、身長と体重が基準に届けば、待ちに待った手術を受けられる。自宅の桃加さんの机の上には、執刀する医師の写真が飾ってある。理由は「お医者さんになりたいから」と桃加さんは笑顔で答えた。 病気をきっかけに医師を志すようになった桃加さん。障害者と健常者の間で悩みながらも夢を抱いて前に進んでいる。 (テレビ西日本)
テレビ西日本