和田秀樹「競争なんてしなくていい」で育つ子どもの不幸 学校では「勝ち負け不要」でも実社会は競争だらけ
これはデータが残っている1981年以降でもっとも低い順位であり、人口が半分の韓国(10位)より下回りました。ちなみに、中国は日本と反対にどんどんランクを上げ、2022年からは2年連続で1位です。 「人に勝つこと」「貪欲に学ぶこと」を良くないことと考える社会では、やはり国としての競争力も伸びていかないのも当然ではないでしょうか。 精神分析学者のコフートが言うように、本来、子どもには人から褒められたい、認められたいという野心があります。その野心を満たしてあげることで、子どもの健全な自信や負けん気を育てることが大事なのです。
「人に負けたくない」という気持ちは、人間として自然な感情です。その自然な感情を親が支え、育てることで、子どもの内面からやる気が湧き上がってきます。 子どもの負けん気や自信を育てることは決して悪いことではないし、子どもの成長につながることなのです。
和田 秀樹 :精神科医