米利下げで社債市場の見通し改善、株式との比較で魅力-MLIV調査
(ブルームバーグ): 米金融当局が利下げ局面に入ったことを受けて、社債市場の見通しが改善しつつある。最新のブルームバーグ「マーケッツ・ライブ(MLIV)パルス」調査が示した。
調査回答者203人の54%によれば、株式と比較して社債がより魅力的になっている。クレジットの中でも、高品質の債券がリスクの高い社債よりも好まれており、デュレーションの長期化を視野に入れている傾向がある。
今回の調査結果では、投資家が株式市場の高いバリュエーションに嫌気が差し、利益確保に向けて他市場に目を向けている状況を示唆している。高格付け債への投資は、マネーマネジャーに利回りの上乗せをもたらすと同時に、金利変動に対する債券の感応度を示すデュレーションの長期化も可能になる。指標となる国債利回りが低下する場合、優良企業の社債などのよりデュレーションが長い資産がアウトパフォームする傾向にある。年初から足元までのトータルリターンは、S&P500種株価指数が約22%、ハイグレード債は4.4%程度となっている。
ループ・キャピタル・アセット・マネジメントの最高投資責任者(CIO)、スコット・キンボール氏は、「指標利回りの低下は、クーポンが高い既発債の価値を高める上、より低いコストでの借り換えが可能になり、企業のバランスシートにも有利に働く。これによって、クレジットスプレッドの安定化もしくはややタイト化もあり得る」と指摘した。
また、回答者の61%は、足元の市場環境が商業用不動産向け投資に適していないとの見方を示しており、リスク資産を深追いしてまで利益を求めることに対しては慎重な姿勢を取っていることが裏付けられた。
クレジット投資会社ストラテジック・バリュー・パートナーズ(SVP)の創業者、ビクター・コスラ氏は先週、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、米国のオフィス不動産には「問題が山積」しており、問題があまりに大きいため債務引き受けが困難だと説明。「津波が押し寄せてくるような状況だ」と語った。