米国株の「高配当株」でおすすめの“2つのタイプ”とは? 現金が豊富な高配当大型株の「ベライゾン・コミュニケーションズ」、52年連続増配中の「アッヴィ」に注目
米国の「高配当株」の中でも、特におすすめの“2つのタイプ”に合致する、現金が豊富な高配当大型株の「ベライゾン・コミュニケーションズ」、52年連続増配中の「アッヴィ」に注目! 【図版】配当利回りが6%超の「ベライゾン・コミュニケーションズ」(VZ)を分析! ●米国株でおすすめは「高利回り大型株」か「連続増配株」! 注目は「ベライゾン・コミュニケーションズ」と「アッヴィ」 「高配当株」投資で資産づくりをするにあたって、もう一歩先を目指すなら、米国株がおすすめだ。米国株は日本株以上に高配当株の宝庫。株主還元に積極的で、連続増配年数が半世紀を超える銘柄も多い。 マンハッタン・グローバル・フィナンシャルの森崇さんによると、米国株の中で“買い”の高配当株は、2タイプあるという。1つ目のタイプは「利回りが4%以上の大型株」。大型株がおすすめな理由は、景気の浮き沈みにも強く、長期で安心して持てるから。 「米国は、景気後退局面を軟着陸させるために利下げフェーズに入りました。ただ、株式市場では、すでにその先の景気回復を期待して、大型の景気敏感株が買われています。また、金利低下は借り入れコストが低下するため、設備投資が多く資金が必要な大型株ほどメリットが大きいのです」(森さん) 安心感が強い株を選ぶためには「現金が豊富かどうか」にも注目するといいだろう。具体的には、企業が自由に使えるフリーキャッシュフローが多い銘柄だ。フリーキャッシュフローが多いと、今後の業績や配当が安定して成長する期待が高い。 加えて「利益以上に配当を出していないか」にも注目したい。当期利益に対する配当の割合を見る「配当性向」が100%以下の銘柄を選ぶと、利益が下ブレたとしても安定的な配当が期待できる。 “買い”の高配当株の2つ目のタイプは「連続増配株」。冒頭でも述べたが、連続増配は株主還元に積極的な米国株の“お家芸”。連続増配ができるのは、配当の原資である利益が増加傾向ということ。だから、連続増配株には株価が好調な銘柄も多い。 「25年以上の連続増配実績を持つ銘柄で構成される『S&P500配当貴族指数』は、株価チャートが長期で右肩上がりです」(森さん) 以上を踏まえて、以下ではタイプ1の「安定配当狙いの高利回り大型株」と、タイプ2の「株価の上昇も狙う連続増配株」として、森さんが選んだ株を1銘柄ずつ紹介していこう(※株価と業績は10月3日時点。チャートはマネックス証券、業績データは「QUICK・ファクトセット」。最低購入額は1ドル=148円で計算。PER、ROE、配当利回り、配当性向は予想ベース)。 最初に紹介するのは「安定配当狙いの高利回り大型株」で、配当利回りが6%超のベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)だ。 ベライゾン・コミュニケーションズは米国の通信大手。コロナ禍に導入された低所得世帯向けインターネットサービスの補助金が終了したため、4~6月期決算は売上高が市場予想を下回った。しかし、株価は戻っている。背景には、ワイヤレスサービスへの注力による地位強化や、財務戦略による株主還元強化の可能性がある。潤沢なフリーキャッシュフローと、6%強の配当利回りも魅力だ。 続いて紹介するのは、52年も続く連続増配株で、足元の配当利回りは3.1%のアッヴィ(ABBV)だ。 アッヴィは製薬会社の大手。4~6月期の決算は絶好調。売上高、1株利益ともに市場予想を上回る結果に。大ヒットした関節炎治療薬「ヒュミラ」は2023年に独占権を失ったが、新しい免疫治療薬「スキリージ」や「リンヴォック」などで補完する戦略が奏功している。連続増配を50年以上も続けているうえに、足元の配当利回りは3%強と魅力的。
ザイ編集部
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