「倒産数過去最多」のフィットネス業界 健康ブーム、コロナ禍…要因は もともとは〝頭打ち〟生き残るカギ
「調整型」「利便性型」増える?
一般社団法人日本フィットネス産業協会(FIA)理事の古屋武範さんは、フィットネス市場は「ゆっくりとですが、確実に回復してきています」とした上で、業界構造の変化について「企業別に格差が広がっている」と指摘します。 「まず、コナミやセントラルスポーツといった総合業態を中心に展開する大手の売り上げを、RIZAP(chocoZAPを含む)、カーブス、エニタイムフィットネス、LAVAなどの小規模でコンセプチュアルな店舗をチェーン展開している会社が上回るようになりました。 例えば、コロナ前のピーク期と2024年3月期の売り上げを比較した回復具合では、カーブス120%に対して、ルネサンス95%、セントラルスポーツ85%、コナミスポーツ75%といったところです。利益も低いところが気になりますが、でも、ここから少しずつまた広がっていくと思います」 今後については「日本は欧米と比べ、自分のことを初心者と思っている人が多いので、運動強度が低い、ヨガやピラティスなどの『調整型』や、24時間ジムのような『利便性型』の業態・サービスが多くなっていくでしょう」と分析。 「未顧客やライトユーザーを対象にマーケティングして、2、3のステップで継続利用へと導けるケイパビリティ(事業の包容力)を備えた事業者が生き残ります。加えて、子ども向け、自治体向け、(健康経営を志向する)企業向け、学校向けと、フィットネスクラブ事業者がサービス提供領域を広げていくようになるでしょう」