女子プロテストの合格率3.74%は“狭き門”過ぎない!? 不合格でもQTを受験できる仕組みに戻すことはないの?
プロテスト不合格でもQTを受験できる仕組みに戻したほうがいい?
一方で、筆者は女子プロテストの合格者数をもっと増やすべきだと考えているわけではありません。仮に合格者数を50~100人に増やした場合、会員数が10年で500~1000人増えることになります。入会金や年会費で組織は潤うかもしれませんが、会員の技術レベルや知識レベルは下がる可能性が高いです。 ですからプロテストの制度は今のままでも構わないのですが、翌年度のツアー出場権を争うクォリファイングトーナメント(QT)の出場資格を「JLPGA会員」と「2024年度JLPGA最終プロテスト合格者」に限定するのではなく、「2024年度JLPGA最終プロテスト受験者」あるいは「2024年度JLPGAプロテスト第2次予選進出者」に拡大したほうがいいのではないかと感じます。 プロテスト受験者たちがなぜこれほどまで合格にこだわるかというと、合格しないとQTに出場できないからです。彼女たちがプロテストを受験する目的の一つはJLPGAの会員になることですが、それはJLPGAのツアー競技に出場するためです。ツアー競技に出場する条件が最終プロテスト合格という狭き門になっているので、多くの選手が苦しい思いをしています。 今のプロテストは合格することでツアー競技出場のスタートラインに立てるというよりも、合格すること自体がゴールになっているように見えます。本来であれば合格した瞬間から11月19~22日に開催されるQTファーストステージを見据えるべきですが、プロテスト合格の達成感が大きすぎて、先のことはまだ考えられない選手もいました。 プロテストとQTは別の目的で行なわれている試合であり、プロゴルファーのライセンスはなくてもQTには出場できるのがグローバルスタンダードです。2019年度から今の仕組みに変わりましたが、その仕組みをあらためて見直す時期に差しかかっている気がします。
保井友秀