宇野昌磨、現役引退に「未練はない」全日本13年連続、世界選手権8回出場の21年間のスケート人生
世界を2連覇、全日本を6度優勝
2019年には15年近く師事していた山田コーチ、樋口美穂子コーチのもとを離れ、独り立ちする。 コーチ不在の期間を経て、2005年、2006年の世界選手権王者、ステファン・ランビエールと出会い、コーチを依頼する。 さらに磨きをかけたその才能と「もっと、うまくなりてぇ!」という向上心で、宇野は2度目のオリンピックに出場。 2022年の北京五輪では個人で銅メダル、団体で銀メダルを獲得した。 それから宇野は、2022年の世界選手権で初優勝すると続く2023年、日本開催の世界選手権でも優勝し、日本男子史上初の2連覇を成し遂げた。 五輪2大会連続のメダル、シニアに転向してから新型コロナウイルスで中止となった大会以外、合計8大会出場し続けた世界選手権は2連覇。 ジュニア時代から13年連続で出場してきた全日本選手権は、4連覇を含む6度の優勝を果たしている。 そんなレジェンドが引退を決めたことで、フィギュアスケート界はまた一つの分岐点を迎えることになった。 自身の実績を振り返って宇野は会見でこう語っている。 「まさか僕がこういった選手になれるとは思っていなかった。人前でこうやってしゃべれる人間になれるとも思っていなかったので、本当にフィギュアスケートと出会えてすごく感謝とともに、驚きのことばかりです。 テレビで見ていたオリンピックの舞台や、そこでいい成績を残せるとは思っていませんでしたし、世界選手権で優勝する選手になれるとは、この3、4年前まで思っていなかった。このフィギュアスケートとの出会いは、すごく深いものだなと思います」 これからフィギュアスケートやスポーツを始めたい子どもたちに向けて、自身の経験を振り返り、子どもたちの「憧れの存在」となっていることに「逆にどの部分に憧れてくださったのか知りたい」と話した。 「僕も真央ちゃんに憧れてスケートを始めたので、小さいときは特にスケートの魅力や何かの魅力よりも、『こういう憧れの選手になりたい、だから同じスポーツをしたい』ほうが多いと思うので、でもすごいですね。僕がその立場になれるってすごく感慨深いことですね」