【ラグビー・第1回 SIRC CUP】楽しくて、情熱と友情にあふれた一日。そして、ここにもエディー
決勝の東京学館浦安×渋谷コルツは好ゲームだった。 最終スコアは7-5。両チームとも渾身のアタックとディフェンスを見せた末の逆転劇で優勝は決まった。 この大会には、昨年末の就任発表以来、いろんなところに現れると噂になっているエディー・ジョーンズ日本代表ヘッドコーチの姿もあった。 徳増代表は、エディーさんが初めて日本代表の指導に関わった1996年、最初に通訳を務めた人だ。 その関係は途切れることなく続いている。 「徳増さんの誘いもあり、長い付き合いのある彼がやっていることをサポートしたいなと思い、今日は来ました」と話す。 試合を見つめていたエディーさんは、「中にはもっと高いレベルでプレーができる選手も見られました」と言った後、言葉を続けた。
「日本ラグビーには、しっかりとしたシステムがある。それはある意味強みではあるのですが、そこに属していない選手たちにとっては、表舞台に出る機会がほとんどない。それが現状です。なので、ラグビー協会がもう少し柔軟に、トーナメントをオープンにしていかないと。そうでないと、高校生のプレーヤーがどんどん減っている中で、さらに厳しいことになると思います」 エディーさんは、閉会式で「この中から2027年のW杯でプレーする選手がひとりぐらいは出るのではないでしょうか」と話し、選手たちを笑顔にした。 「皆さんは、本当にいろんな才能を持っています。諦めることなくハードワークをして、自分の強みを見つけてください」 閉会式のあとは、エディーさんを中心に記念写真を撮る光景がグラウンドのあちこちで見られた。 参加者全員が笑顔になった一日。グラウンド周辺の片付けも、多くの人たちの協力でスムーズに終わっていた。 優勝した東京学館浦安のMVPとなったSH飯田竜馬(いいた・りょうま)も、「日本代表のヘッドコーチに選ばれて嬉しいです」と相好を崩した。 飯田は小1で柏ラグビースクールに入った。この日は強気のリードと、正確なキックでチームを勝利に導いた。 一日を振り返り、「県外のチームとの試合で、いつもと違うプレーを感じました。外国出身の選手と初めて試合をして、フィジカル面をもっと高めないと、と思いました」と話した。 もうすぐ3年生。ラストイヤーに力を込めた。 「(千葉は)リューケイ(流経大柏)が強いのですが、まずベスト4に入って、しっかり競る試合をしたいですね。全国を目指したいです」 ひとつのグラウンドに、それぞれ違う夢を持った少年、少女たちがいる。 素敵な空間だった。