日産・ホンダ・トヨタ…夢の電池「全固体」開発にアクセル
ゲームチェンジャーの期待高
全固体電池は電解質が液体ではなく固体であるのが特徴だ。エネルギー密度や出力密度がLiBより優れ、電池の内部抵抗が少ないため急速充電にも適している。電解液がないため化学的にも安定し、耐久性や信頼性・安全性にも優れる。EVの充電時間短縮や航続距離の拡大など電池特性を飛躍的に高め、自動車自体の機能や商品性を向上できる。EVの普及を加速する「ゲームチェンジャー」としての期待は高い。日本や欧米の主要な完成車メーカーが量産に向けた計画を公表し、特に世界的に新エネルギー車(NEV)市場が拡大期にある中国でも研究が進む。 ただ電池の品質管理のため、水分の混入を防ぐドライな環境が必要。そのため、製造環境では露点管理が不可欠で量産工場での製造環境・条件を実現する難しさもある。英調査会社グローバルデータは全固体電池の市場拡大に慎重な見通しを持っており、30年時点でグローバルの全固体電池の容量は約2・3ギガワットヘルツ(ギガは10億)と、電池容量全体の2743・8ギガワットヘルツと比べて0・08%のシェアとみている。